『音読×直読直解』の英語専門塾GCA・代表のグッチャンです。
英検「合格」はゴールではなくスタート シリーズ。引き続きライティング「意見論述問題(Opinion Essay)」の「2つの理由」の考え方について。これは本当に難しいですよね。何よりも純粋な英語力(単語や文法)でどうにかできる話ではないというのが複雑です。
“POINTS” に頼らずに論点を考える
英検のライティング問題では、理由(論点)のヒントとなるいくつかの POINTS が示されます。
例えば、2級では3つ POINTS が書かれている一方、準2級ではひとつも書かれていません。さらに、準1級では示されている4つの POINTS 以外の論点で解答することが禁じられています。
もちろん試験本番では、これらのヒント(POINTS/論点)を有効に使うテクニックが重要になりますが、練習の段階で これらの POINTS を頼りに解答を考えるのはやめましょう。
自分自身の頭を使って意見を主張をする力をつけるためです。ライティング問題に限らず、スピーキングテストの問題でも意見とその理由を問われますが、何ひとつヒントは与えられません。
英検2級レベルのトピックを例に説明します。
Should economic development be limited to protect the environment?
問われている内容は大丈夫ですね? トピックの英文そのものが理解できないというケースも少なからず目にしますが、それは語彙力の不足であってライティング練習以前の問題です。
念のため、日本語にすると、
環境保護のために 経済発展は 制限されるべきか?
という問いですね。
意見論述問題(Opinion Essay)はあくまでディベートなので、このトピックも賛成・反対どちらの立場からも主張できます。どちらかの主張が正解というわけではありません。
経済発展は基本的に環境破壊を伴います。気候変動問題が国連の最重要課題のひとつになっているように、際限ない経済発展(≒環境破壊)は、世界規模の深刻な問題です。
ところが、とりわけ発展途上国にとっては、経済発展の制限は、逆に国民の生活・財産を脅かす深刻な事態でもあるのです。
「排出権取引」といった内容を英語で正確に主張できるのであれば、反対の立場でも主張できるでしょう。
ですが、先進国である日本で生活しているみなさんの多くは賛成の立場、つまり「経済発展より環境保護を優先すべき」という主張の方が書きやすいかと思います。
では、「環境保護のために経済発展を制限するべき」理由を2つ、自分の頭で考えてみましょう。
……
……
たぶん「このまま環境破壊を続けると、地球が滅んでしまう」という理由がパッと思いつきませんでしたか?
問題はここからです。2つ目の理由を考えることができますか?
……
……
難しいですよね?
では、なぜ難しいのでしょうか?
「地球が滅びる」という1つ目の理由(論点)のスケールが大きすぎるからです。地球が滅びてしまっては、「生活の便利さ」「発展途上国の経済」「絶滅危惧種の保護」といった問題は、ほとんど意味を持たなくなってしまいます。
それぞれの「理由」のスケール感を調整する
こういうときは、「地球の危機」というスケールの大きな1つ目の理由(論点)を、もう少しスケールの小さい2つの論点に分割するのです。
正確には、論点のチャンク(かたまり)もしくは粒度(りゅうど)を揃える、と言います。
そこで、「地球全体の危機」を2つに分けてみましょう。
① 発展途上国に暮らす人たちの危機
→ 無制限な森林伐採や資源採掘によって、直接的に生活環境が脅かされる
② (日本を含む)先進国に暮らす人たちの危機
→ 気候変動が原因で、大規模な自然災害に直面する
あるいは、以下のような分割もできます。
① 動植物の危機
→ 環境破壊によって多くの動植物が絶滅する
② 人類の危機
→ 生態系が破壊されることで、人類の生活が危機にさらされる
…きれいに2つの論点(理由)ができましたね。この論点(理由)のスケール感を調整する、スケールが大きすぎる論点を分割する、という考え方はエッセイを構成する段階で大変有効です。
(続きます)









