「音読×直読直解」の英語専門塾GCA・代表のグッチャンです。
英検「合格」はゴールではなくスタート シリーズ・長文読解編のラストです。長文問題では「文章の前に設問を先に読む」というテクニックについて、あらためてきちんと考えてみましょう。
「設問を先に読む」のは鉄則
英検に限らず長文読解問題では、
「本文を読む前に設問を先に読む」
とよく言われます。これはみなさんの多くがほぼ常識として知っているテクニックですよね。英語だけでなく国語の現代文でも同じことが言われます。最初に断っておきますが、
これは完全に正しいテクニックです。
何を問われるのかを知らないまま長い英文を読んで設問に取りかかるより、先に設問を確認しておいた方が、当然ながらはるかに効率が良いです。とりわけ英検やTOEFLなどの長文読解問題は、パラグラフ(段落)ごとに設問がある場合が多いので、
設問1を読む → 第1パラグラフを読む → 設問1に解答する → 設問2を読む → 第2パラグラフを読む → 設問2に解答する…(以下略)
という手順はむしろ鉄則と言っても良いでしょう。こうしなければ文章を二度読みすることになってしまい、大きな時間のロスにつながります。
「設問先読み」2つの注意点
ただし、「設問を先に読む」ときにも絶対に守らなければならないポイントが2つあります。
実際に生徒さんの長文読解問題の解答を確認していると、この2つのポイントを守っていないことで不正解になっている場合が非常に多いのです。もちろん、そもそも知らない単語が多すぎて文章が読めていない、あるいは時間がほとんど残っていなかった、といった事情はまた別の話です。以下、くわしく説明します。
✕ 設問と一緒に4つの選択肢まで先に読まない!
ポイントその1。
英検の長文読解問題の設問はすべて4つの選択肢から正解を一つ選ぶ形式です。上に書いた通り、文章の前に「設問を先に読む」のは正しいのですが、設問と同時に4つの選択肢まですべて読んでしまうのが習慣になってしまっている人はいませんか?
もし心当たりのあれば、今すぐやめてください。
一見、4つ選択肢には文章の内容がコンパクトに書かれているように見えます。先に読んでおいた方が文章がスムーズに理解できそうな気がします。
ところが、です。
4つの選択肢のうち、3つは間違った内容なのです。
ですから、選択肢を先に読むのは、わざわざ間違った情報を3つも頭に入れた状態で文章を読むということなのです。もちろん、読み間違いをするリスクが大幅に上がります。
先に読むのは設問だけ。4つの選択肢は、文章(もしくはパラグラフ)を読んだ後に確認しましょう。

✕ 本文と同じ単語や表現があるという理由で選択肢を選ばない!
ポイントその2。
たとえば本文中に、
…Many young people supported the plan at first. However, most of them changed their minds after learning how much it would cost…
という一節があったとします。そして設問の選択肢のひとつが…
Many young people continued to support the plan because of its low cost.
だった場合、
Many young people
support the plan
cost
といった、本文にも出てくる、なんとなく重要そうな単語や表現があるという理由でこの選択肢をつい選んでしまうことはありませんか?(もちろん不正解です)
「飛ばし読み」の記事でも同じような注意をしましたが、選択肢のセンテンスに、本文に出てきた単語や自分が知っている単語が複数あるからといって、それが正解を選ぶ根拠には絶対になりません。
出題者の立場で考えてみましょう。
長文読解問題はもちろんみなさんの読解力をテストする問題です。ですから、きちんと文章を読解できていない人が適当に選択肢を選んだら不正解になるように、間違いの選択肢がいかにも正解に見えるように慎重にまぎらわしい表現を使っているのです。
むしろ、正解の選択肢には本文には直接出てこない単語や表現が使われていることが少なくありません。
たとえば先ほど例に挙げた一節(再掲)に対して、
…Many young people supported the plan at first. However, most of them changed their minds after learning how much it would cost…
正解の選択肢が以下のようなセンテンスになっているケースです。
Young people initially favored the plan, but their opinions shifted once they found out the financial details.
「言い換え(paraphrase)」と表現してもいいかもしれませんが、要するに文章も選択肢のセンテンスもきちんと読めていますか?と確認しているだけの話です。
最初からテクニックに頼らない
英語でも国語でも、文章の理解が不十分であってもなんとか4択問題から正解を選ぶ試験テクニックが、塾や予備校によって大量に開発されてきました。
たとえば、共通テストの国語(現代文)であれば「『絶対に』『完全に否定している』といった極端な表現がある選択肢は間違い」といったコツを聞いたことがあるかもしれません。かつては英語でも「4択の文法問題はセンテンスの意味がわからなくても正解が選べる!」ことを謳う参考書や講義が流行ったりもしました。
もちろん、この記事でも述べたように、テクニックが有効な場合もあります。ですが、絶対に忘れないでほしいのは、
長文読解問題は、そもそも読解力のレベルを確認するための問題だということです。正答率を上げたい、合格したいのであれば、読解力そのものを地道な学習で身につけていくのが筋ではないでしょうか。
これまで数回にわたって、英検の長文問題を題材に、解答テクニックを盲信する危険性について書いてきました。なかなか英検に合格できない、スコアが伸びない人にとって、これまでの「英検対策」を少し見直すきっかけになればうれしく思います。


