「音読×直読直解」の英語専門塾GCA・代表のグッチャンです。
英検「合格」はゴールではなくスタート シリーズ。4技能の配点をフェアにするため、2024年に2級以上の「ライティング問題」に追加された「要約」。英文の要約なんてやったことがない、どう取り組んでいいのかわからない、という相談をよく受けます。ところが「要約」は毎回見事にテンプレ化されている「サービス問題」です。簡単な解答パターンを知らないばかりに、大きく失点してしまうのは本当にもったいないです。ずばり「要約」問題の解答方法を教えます。
問題を増やす方針は正しかったけれど…
「コスパ」の良いライティング問題への対策だけで大量の合格者が出てしまった事態にきちんと対応した英検協会の方々の判断はまったく正しいと考えます。ただし、新たに追加されたこの「英文要約」問題がライティング問題として本当に適切なのかどうかについては疑問が残ります。
なぜなら、問題の英文さえ読めれば、簡単なテクニックを知っておくだけできれいに解答が書けてしまうからです。ときどき「問題の英文が読めません」という相談がありますが、それはあくまで「リーディング」の話であってライティング問題とは関係ありません。
あまりにワンパターンな問題文
英検2級の「英文要約」問題(約150語)は、必ず以下の形式で構成されています:
第1パラグラフ: トピックの提示(○○○が □□□している)
第2パラグラフ: そのメリット2つ(それには ①♪♪♪と ②☆☆☆という長所がある)
第3パラグラフ: そのデメリット2つ(しかし ①### と ② ***という短所もある)
また、第2・第3パラグラフ内には、 First / Moreover / Also といったつなぎ言葉で、2つのポイントがどこに書かれているかていねいに示されています。さらに、第3パラグラフの冒頭にはたいてい、On the other hand / However などの逆接の表現が入っています。第2パラグラフでは長所が書かれていたけれど、次は逆に短所が書かれているんだな、とすぐに分かります。
具体的な解答テクニック
非常に簡単です。まず日本語でいいので、問題の英文を読みながら以下の5点を箇条書きでメモします。
…できましたか? 特に第2・第3パラグラフでは、First / Also / Moreover / Furthermore といったつなぎ言葉(ディスコースマーカー)を四角で囲んだりして目立たせれば間違うことはまずありません。
ここで、実際の解答の英文を書き始めます。自分が正確に使える英語の表現を使って、さっきのメモをつないでいくだけです。
2つの注意点
「サービス問題」と言いましたが、解答するときは以下の2つの点にだけは注意してください。
(1) 問題文からセンテンスを抜き出さない
各パラグラフからキーセンテンスを探してそのまま抜き出してつなげようとするとうまくいかないことが多いです。先ほど作成した日本語のメモから、まずは自分で英文を作成しましょう。
(2) 指定された語数に注意
この記事で解説した方法で解答を作成し、内容としてはきちんと要約ができていても、指定された語数を守っていなかったら大きく減点されてしまいます。実際、英検1級の要約問題をめぐって、ネット上でたびたび激しい議論が起きているのを目にしたことがあるかもしれません。
もし語数が足りない場合は、問題を英文にもう一度目を通して、語数を満たせるよう少しずつ具体的な内容を加えていきましょう。
英検の「要約問題」への違和感
この「英文要約」問題については、すでに多くの専門家によってさまざまな議論がなされていますが、冒頭で触れたとおり、GCAとしてもこの出題形式には違和感があります。
「要約」とは本来、研究やビジネスの現場で膨大な論文や資料を読み込み、要旨をまとめる作業を指します。とりわけ学術論文ではパラグラフの論理構成に厳格なルールがあるため、各段落の冒頭(トピックセンテンス)をまとめて要約を作成することもあります。
一方で、英検2級や準1級で課されるわずか数パラグラフの短い文章の「要約」は、例えるなら小中学校の国語で1000字程度の文章を読み「筆者の主張を100字でまとめなさい」と問う記述問題に近い性質のものです。
だからこそ、英検対策のために「各段落のトピックセンテンスを抜き出すこと」を禁じ手にしたり、語数調整のために具体例を付け足すテクニックに慣れたりすると、近い将来、本来の「英文要約」に取り組む際に混乱を招きかねないのではないかと感じるのです。



