「音読×直読直解」の英語専門塾GCA・代表のグッチャンです。
英検「合格」はゴールではなくスタート シリーズ。今回は「ライティング問題」編(1)。4技能の均等配点による歪みを是正するため、2024年に2級以上に導入された「要約」問題について考えてみましょう。
「要約」問題導入の背景
事の発端は2015年。英検に合格/不合格だけでなくCSEスコア(Common Scale for English)が導入されたことです。英検の成績をTOEFLやIELTSのスコアと換算できる方式に変えて、海外進学や留学のための英語資格として英検が認定されるようにするためです。
TOEFLやIELTSと合わせるために「読む」「聞く」「書く」「話す」のいわゆる「4技能」の配点が均等にになりました。つまり、リーディング問題・リスニング問題・ライティング問題・スピーキング問題の成績(素点)がそれぞれ全体の25%に換算されてスコアが出され、それにもとづいて合否も決まるようになったのです。
それ以前は、たとえば2015年度の準1級での4技能ごとの配点は、
| リーディング | 約51%(素点51点) |
| リスニング | 約34%(素点34点) |
| ライティング | 約14%(素点14点) |
でした。さらには、2015年までは、英検2級には「ライティング問題」そのものがなかったのです。
「英検対策」の登場と英検側の対応 ―「要約」「Eメール」問題
驚くべきことに、従来と同じ「意見論述問題(Opinion Essay)」1問のまま、ライティング問題の配点だけが14%から25%へ、つまり約1.8倍になったわけです。
もちろん、受験業界は色めき立ちました。大手予備校を中心に、英検合格者数を効率よく伸ばすため、ライティング問題のスコアを少しでも上げる「テクニック」が次々と開発されていきました。例えば、難しい単語や文法を避けて「安全に」書く、語数を稼ぐために First, … ではなく The First reason is that... などを使う、イントロダクション(導入)とコンクルージョン(結論)の段落は同じ内容を繰り返す、といったものです。
GCAでは当時、どう考えてもまだ英検準1級のレベルに達していない生徒さんたちが準1級に次々と合格したことがあり、英語講師としてうれしい反面、どこか釈然としないものを感じた記憶があります。
そもそも英検協会側は、英検を世界に通用する「4技能」試験・EIKENにしたかったわけです。語彙レベルが低く小手先のライティング対策をしただけの受験生の合格が多発するという事態を、黙って見過ごすはずがありません。
そこで2024年に登場したのが「要約」「Eメール」問題です。つまり、「意見論述」1問だけだったライティング問題が2問に増えたわけです。
しかし、ここにも致命的な落とし穴がありました。
(続きます)



