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英検・ライティング問題編(6) ― 「2つ」の理由を考える・その2

英検ライティングの意見論述問題で「2つの理由」が思いつかないのはなぜ? POINTSに頼らず、自分の頭で論点を考えるには? 英検2級の例題を使い、理由のスケール(粒度)を揃え、大きな論点を2つに分割する考え方を解説します。

『音読×直読直解』の英語専門塾GCA・代表のグッチャンです。

英検「合格」はゴールではなくスタート シリーズ。引き続きライティング「意見論述問題(Opinion Essay)」の「2つの理由」の考え方について。これは本当に難しいですよね。何よりも純粋な英語力(単語や文法)でどうにかできる話ではないというのが複雑です。

“POINTS” に頼らずに論点を考える

英検のライティング問題では、理由(論点)のヒントとなるいくつかの POINTS が示されます。

例えば、2級では3つ POINTS が書かれている一方、準2級ではひとつも書かれていません。さらに、準1級では示されている4つの POINTS 以外の論点で解答することが禁じられています。

もちろん試験本番では、これらのヒント(POINTS/論点)を有効に使うテクニックが重要になりますが、練習の段階で これらの POINTS を頼りに解答を考えるのはやめましょう。

自分自身の頭を使って意見を主張をする力をつけるためです。ライティング問題に限らず、スピーキングテストの問題でも意見とその理由を問われますが、何ひとつヒントは与えられません。

英検2級レベルのトピックを例に説明します。

Should economic development be limited to protect the environment?

問われている内容は大丈夫ですね? トピックの英文そのものが理解できないというケースも少なからず目にしますが、それは語彙力の不足であってライティング練習以前の問題です。

念のため、日本語にすると、

環境保護のために 経済発展は 制限されるべきか?

という問いですね。

意見論述問題(Opinion Essay)はあくまでディベートなので、このトピックも賛成・反対どちらの立場からも主張できます。どちらかの主張が正解というわけではありません。

経済発展は基本的に環境破壊を伴います。気候変動問題が国連の最重要課題のひとつになっているように、際限ない経済発展(≒環境破壊)は、世界規模の深刻な問題です。

ところが、とりわけ発展途上国にとっては、経済発展の制限は、逆に国民の生活・財産を脅かす深刻な事態でもあるのです。

「排出権取引」といった内容を英語で正確に主張できるのであれば、反対の立場でも主張できるでしょう。

ですが、先進国である日本で生活しているみなさんの多くは賛成の立場、つまり「経済発展より環境保護を優先すべき」という主張の方が書きやすいかと思います。

では、「環境保護のために経済発展を制限するべき」理由を2つ、自分の頭で考えてみましょう。

……

……

たぶん「このまま環境破壊を続けると、地球が滅んでしまう」という理由がパッと思いつきませんでしたか?

問題はここからです。2つ目の理由を考えることができますか?

……

……

難しいですよね?

では、なぜ難しいのでしょうか?

「地球が滅びる」という1つ目の理由(論点)のスケールが大きすぎるからです。地球が滅びてしまっては、「生活の便利さ」「発展途上国の経済」「絶滅危惧種の保護」といった問題は、ほとんど意味を持たなくなってしまいます。

それぞれの「理由」のスケール感を調整する

こういうときは、「地球の危機」というスケールの大きな1つ目の理由(論点)を、もう少しスケールの小さい2つの論点に分割するのです。

正確には、論点のチャンク(かたまり)もしくは粒度(りゅうど)を揃える、と言います。

そこで、「地球全体の危機」を2つに分けてみましょう。

① 発展途上国に暮らす人たちの危機
→ 無制限な森林伐採や資源採掘によって、直接的に生活環境が脅かされる

② (日本を含む)先進国に暮らす人たちの危機

→ 気候変動が原因で、大規模な自然災害に直面する

あるいは、以下のような分割もできます。

① 動植物の危機
→ 環境破壊によって多くの動植物が絶滅する

② 人類の危機

→ 生態系が破壊されることで、人類の生活が危機にさらされる

…きれいに2つの論点(理由)ができましたね。この論点(理由)のスケール感を調整する、スケールが大きすぎる論点を分割する、という考え方はエッセイを構成する段階で大変有効です。

(続きます)


福岡天神・オンライン対応の英語専門塾GCAによる「英検対策集中講座」(3級〜準1級)。単語や過去問の対症療法ではなく、1つの英文を4技能で徹底活用する王道の指導法。全4回で大学受験にも繋がる本物の英語力を養成します。

Good Chace Academy 代表/講師。英検1級。TOEICスコア960。1976年生まれ。弘学館中学校・高等学校,国際基督教大学(ICU)教養学部卒。高2で英検準1級合格,高3でTOEICスコア825,TOEFL(旧PBT)スコア590。ICU卒業後,一橋大学大学院商学研究科に進学し経営戦略論・経営組織論を学ぶ。2011年,Good Chance Academy設立。4技能化やアクティブ・ラーニングといった新しい言葉ばかりが先行する風潮の中でも,正確な音読・リスニングの徹底による読解力の養成を基本に置いた指導方針を貫き続ける。