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英語は呪文ではない (1)

福岡市天神の英語専門塾GCA・代表のグッチャンです。今回はすでに音読の重要性をわかっている方、少し音読に興味が出てきた方向けに少しつっこんだ話をします。

音読は「ただ声に出すこと」ではない!

まずひと口に音読と言っても,いくつもの種類があります。

たとえばサッカーでは、ひと口にシュートと言っても、ロングシュート・ミドルシュート・ボレーシュート・ヘディングシュート・ループシュート・ドライブシュート…と、さまざまなシュートがあって、それそれ使うシーンも違えば練習方法も違いますよね。

ただやみくもにゴールに向かってボールを蹴れば練習になるというわけではありません。

だから、英語の先生に「音読が大事です。音読をしなさい」と言われたからといって、教科書本文を「イン・ザ・パスト、ゼア・ワー・ノット・イナフ・グッド・メディシンズ・オア・ドクターズ…」とまるで呪文でも唱えるように何十回も声に出して丸暗記しても、本来の音読の効果が得られるわけではありません。

音読練習の前に

さらに英語の音読には、その前提となる基本トレーニングがあります:

まずは発音です。

中高生が正しい発音を習得すべきかどうかについては、英語の先生によって大きく意見が分かれます。英文の上にカタカナで『ふりがな』が書かれている参考書・単語集も少なくありません。

ですが、あえて断言します。正しい発音ができることは、アルファベットが正確に書けることと同じレベルの基本中の基本です。

she と see を両方とも「シー」と読みながら「仮定法」なんか勉強している高3生は、アルファベットの b と d を間違える中1生を笑ってはいけません。

「日本人はカタカナ発音のままでいい」というのは、実際にカタカナ英語で会話していて大きな誤解を招いた、相手の言ってることがわからなかった、言いたいことが通じなかったという手痛い経験をしたことがない人の言い分です。

「出川哲朗さんを見ろ。立派に通じるじゃないか」というのは、「どんなに字が汚くても読めさえすればいい」「どんなに料理の味や見た目がまずくてもカロリーさえあればいい」あるいは「相手を思う誠実な気持ちさえあれば、よれよれのTシャツ・ジーンズにサンダルで結婚式や葬儀に参加してもまったく問題ではない」というのと同じことです。

(しかも『コミュ力お化け』である超一流の芸人さんと一般人を同列に扱ってはいけません)

『発音』は実はそんなに難しくない

そもそも、発音の練習が必要ないという主張には「発音をマスターするには膨大なトレーニングが必要で、受験生にはそんな遠回りをする余裕がない」という前提があります。

そんなことはありません。発音の基本はほんの数時間で習得できますし、その数時間の「遠回り」がもたらす恩恵は計り知れません。

大きく話がずれてしまいました。この記事のタイトルまでたどりつけませんでした。ですが、この話は世間であまりに軽視されているので、これまでも繰り返し書いてきましたし、これからも懲りずに伝え続けます。

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この記事を書いた人

Good Chace Academy 代表/講師。英検1級。TOEICスコア960。1976年生まれ。弘学館中学校・高等学校,国際基督教大学(ICU)教養学部卒。高2で英検準1級合格,高3でTOEICスコア825,TOEFL(旧PBT)スコア590。ICU卒業後,一橋大学大学院商学研究科に進学し経営戦略論・経営組織論を学ぶ。2011年,Good Chance Academy設立。4技能化やアクティブ・ラーニングといった新しい言葉ばかりが先行する風潮の中でも,正確な音読・リスニングの徹底による読解力の養成を基本に置いた指導方針を貫き続ける。