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発音練習が必要な3つの理由

福岡市天神の英語専門塾GCA・代表のグッチャンです。大事なことなので何回でも何十回でも書きます。

発音についての意見の対立

英語の発音に関しては,英語の指導者や実際に英語を仕事で使っていっる人たちから2つの相反する意見が聞かれます。

つまり…

(1) 日本人がネイティブスピーカーの猿真似をする必要はない,堂々とカタカナ英語で話すべきだ,

という発音不要論の立場と,  

(2) ネイティブスピーカーみたいな発音ができるかどうかという問題ではなく,v ⇔ b,s ⇔ th,r ⇔ lといった異なった音の区別ができないとそもそも通じない,

という発音必要論の立場です。  

発音必要論が具体例としてよく使う小話は,レストランで「ライス(rice)」とカタカナで注文すると,lice(シラミ)を食べたいというふうに誤解を受けるというものです。  

それに対して発音不要論からは,レストランでシラミを注文する人などいない,発音が不正確でも文脈で十分に通じると反論します。  

さらに,不要論の主張には,今後は英米を中心としたネイティブスピーカーに自然に聞こえるかどうかは重要ではない,世界中で外国語として英語を話す人同士で通じるかを基準にすべきだというものもあります。確かにノンネイティブ同士での会話では,rとl,thとsの違いなどは無視しても問題ないという研究結果が出ています。

発音が必要な3つの理由

結論から言うと,発音の習得は絶対に必要です。理由は3つ。  

(1) 発音の基本は簡単に習得できる  

不要論の主張には,英語の発音が何か「秘伝」のようなものでその習得には特殊なトレーニングと膨大な時間がかかる,という隠された前提があります。  

少なくとも現在ではそんなことはありません。発音の基本は,書店で千円程度のCD付きテキストを買って10時間ほど練習すれば十分に習得できます。    

(2) カタカナ英語では通じない,聞き取れない場合も少なくない  

日本語の音の多くが「子音+母音」のセットで発音されるのに対し,英語では「子音+子音(+子音)」と子音だけが連続する場合(子音連結)が多く見られます。   それで,カタカナ英語では無意識のうちに子音の間に母音をはさんでしまいがちです。例えば strong を「ストロング(su-to-ron-gu)」white を「ホワイト(ho-wai-to)」と発音してしまうようなケースです。    

実は発音不要論の主張には,日本人がとりわけ苦手とするこの子音連結ができていないとノンネイティブ同士であっても通じにくいという但し書きがあるのです。そこで,子音連結だけ取り出して教えればいいという主張もありますが,そんなことをするくらいなら体系的に発音を学んだ方がはるかに有益でしょう。  

さらには,今でもやはり英米を中心とした英語圏から発信される情報は膨大でかつ重要です。標準的な発音を知らないと英語圏のニュースや映画,講義を正確に理解することもままなりません。  

(3) 発音はつづりと関連している  

いわゆるフォニックスのことです。つづりと発音の関係が例外だらけだと言っても,日本語の漢字の音読み・訓読み程度のルールはあります。いったん発音を習得するとつづりの習得が容易になります。  

素直に「お手本」を学ぼう

最後にもうひとつ。  

何でもそうですが,英語の音声についても,何かしらモデル・お手本があった方が圧倒的に学習が容易になります。ネイティブスピーカーの真似は不要だといった極論に流れる前に,まずは素直にお手本を参考にして練習するのが外国語学習の基本ではないでしょうか。

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この記事を書いた人

Good Chace Academy 代表/講師。英検1級。TOEICスコア960。1976年生まれ。弘学館中学校・高等学校,国際基督教大学(ICU)教養学部卒。高2で英検準1級合格,高3でTOEICスコア825,TOEFL(旧PBT)スコア590。ICU卒業後,一橋大学大学院商学研究科に進学し経営戦略論・経営組織論を学ぶ。2011年,Good Chance Academy設立。4技能化やアクティブ・ラーニングといった新しい言葉ばかりが先行する風潮の中でも,正確な音読・リスニングの徹底による読解力の養成を基本に置いた指導方針を貫き続ける。