福岡市天神の英語専門塾GCA・代表のグッチャンです。今回は,勉強への意欲も高く成績優秀なのに,なぜか英語だけ微妙な人へのアドバイス。
『カッコいい』英語のイメージ
無意識のうちに,以下に挙げるような3つの思い込みをしてませんか?
- 英語はカッコいいから好き。理想的な英語の勉強は,都心のカフェでネイティブの先生とマンツーマンで会話レッスンを受けるイメージ。
- 大学入試改革の流れにも見られるように,これから求められる英語力というのは,単なる語いや文法の知識から,英語による論理的思考力・表現力にシフトしていく。もっとロジカルシンキングやディスカッション,エッセイ・ライティングの練習を重視すべき。
- 「英文法問題精講必須300」「精選英語長文問題20」*のような実績のある有名参考書の問題にじっくり取り組むと難関入試を突破できる実力がつく。(*架空のタイトルです)
…あえて誤解・反論を恐れずに言うと,全部間違いです。
いますぐその思い込みを捨ててください。
暗唱できるまでぶつぶつ繰り返し音読したり,つっかえながらシャドウイングをしたり,いまさら「P. P. P. 」「th th th th th……」とかボイトレをしたりするのは,確かにキツい。見ていてカッコいいものでもありません。
でも,それを避けて通ることは絶対にできません。
効果的なトレーニングは地味で泥臭い
英語をカッコよく,スマートに勉強しようと思わないでください。
スポーツや芸能の世界でのトップレベルのプレーヤーが,華やかなパフォーマンスの裏で地味で泥臭い練習を日々継続しているのを,テレビの密着取材なんかでみなさんも見たことがあるかと思います。
引退したMLBのイチロー選手が,チームメイトが「見ているだけで疲れる」と感想をもらすほどの数時間におよぶ地味な基本練習とストレッチを毎日続けていたのは有名な話です。
お笑い界の大御所・ビートたけしさんは若い頃,どんなに酔っ払って帰ってきた日でもシャワーを浴びて目を覚まし,一人でネタを考えるのを決して欠かさなかったそうです。
英語学習に置き換えると…
ネイティブとペラペラ会話するのも,英語で思考しながらディスカッションするのも,数百ワードのロジカルなエッセイを書くのも,難関校の入試問題をスラスラ解くのも,すべて華やかなパフォーマンスの部類です。
一日にせいぜい30分か1時間程度の音読練習すら継続できない人が,いきなり目指してはいけません。
九九を覚えていない状態で連立方程式は解けません。駒の動かし方すらマスターしてないのに,プロ棋士が使うような定石を覚えても将棋は強くなりません。
たいていの人が地道で泥臭い練習を嫌がります。最初から楽しくてカッコ良い英語の世界を求めます。
英語の楽しさやカッコ良さというのは,地道な反復練習を続けている人だけがあるときふと感じることができるものです。
中身の見えないバケツに途切れなく水を注いでいく様子にたとえることができるかもしれません。
注ぎ続けていれば,いつか必ず水はあふれます。でもなかなか水があふれないからといって注ぐのをやめれば,決して水があふれることはないのです。