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本質から学ぶ

福岡市天神の英語専門塾GCA・代表のグッチャンです。まれに他教科の質問を受けることがあります。

「満月」と「月食」は何が違うのか

責任を持って答えられる範囲で説明するのですが,生徒さんと一緒にネットや参考書で答えを探すのも,思わぬ発見があったりして興味深いものです。

先日,中3理科「月の見え方」の質問を受けました。

・太陽から見て地球の裏側に月が入るときに,なぜ満月になるのか?

・地球の影になるから太陽の光は当たらず,月は見えなくなるのでは?

・同じく地球の裏側に月が入って起こる月食とは何が違うのか?

確かに…。

ネットや参考書で調べても,さらっと説明を流しているものがほとんどでした。ある動画講義では,電球を太陽に見立てて2つの白いボールを回転させ,地球と月の関係を表していました。紙での説明よりも,新月や半月の説明については非常にわかりやすかったのです。

ところが…

月を地球の裏側に動かして満月の説明に入った瞬間,なんとその動画では講師がおもむろに地球を上に持ち上げたんですね。「はい,これで太陽の光が月に当たって満月になります」と。

生徒と一緒に私も唖然としてしまいました。月が地球の裏側に入るたびに,地球はポンと宇宙で飛び跳ねているんでしょうか?? 月に太陽の光を当てるために。

もちろん,そんなわけがありません。ここでは詳しくは説明しませんが,月が地球の裏側に入るときに満月になったり月食が起こったりするのは,地球の公転面と月の公転面がずれているからです。

言葉で説明するだけではよく意味がわかりませんよね。でも,ボールではなく地球の公転軌道を表す大きな輪と月の公転軌道を表す小さな輪を組み合わせれば簡単に理解できます。

この満月と月食の仕組みについて,本質から説明を受けてきちんと理解している生徒がどれだけいるのでしょうか…。

……

前置きが長くなりました。実は英語でもよくあるのです。「地球をポンと持ち上げて,はい満月です」とするようないい加減な説明が。

例えば,仮定法過去。現在のことなのになぜ if 節(条件節)では過去形を使うのか,それなのにどうして主節は過去形ではなく「would + 動詞の原形」なのか。きちんと理解している人はどれだけいますか。

例えば,現在完了形。どうして「have + 過去分詞」が,「~してしまった」「~したことがある」「ずっと~してきた」といった様々な意味を持つのでしょうか。

これらの重要な文法について「地球をポンと持ち上げる」ような説明でわかったふりをしていると,なかなか英語の力は伸びません。

英語に限らずどんな教科でも同じです。「わかったふり」をせず,図書館やネット,学校や塾の先生をフル活用して本質から理解するようにしましょう。

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この記事を書いた人

Good Chace Academy 代表/講師。英検1級。TOEICスコア960。1976年生まれ。弘学館中学校・高等学校,国際基督教大学(ICU)教養学部卒。高2で英検準1級合格,高3でTOEICスコア825,TOEFL(旧PBT)スコア590。ICU卒業後,一橋大学大学院商学研究科に進学し経営戦略論・経営組織論を学ぶ。2011年,Good Chance Academy設立。4技能化やアクティブ・ラーニングといった新しい言葉ばかりが先行する風潮の中でも,正確な音読・リスニングの徹底による読解力の養成を基本に置いた指導方針を貫き続ける。