「スラマッダタン,マレーシア」
ともに「アジアのハブ」といわれる香港・クアラルンプール間の乗客はいままでになくバラエティ豊かでした。
聞こえてくる様々な言語,機内食を手で食べる人,緋色の袈裟をまとった僧侶…。そして自分もまた,他の乗客から見れば1人の外国人であるということを思うとなんだか面白くて不思議な感覚でした。
日本を出発して15時間が経った深夜1時頃,僕はとうとうマレーシアに降り立ちました。
早速,マレーシア上陸記念に空港で1枚撮ると1人の警察官に呼び止められました。
どうやら撮った写真が気に入らないらしく,「携帯を出せ」言われマレーシアでの第1号自撮り写真を警察の前で消去。出鼻をくじかれた僕は,その警察官から逃げるようにダッシュで入国を済ませ空港を出ました(笑)。
数日前に付け焼刃で覚えた必殺「マアフ(すいません)」と「テリマカシ(ありがとう)」を駆使してなんとかタクシーを捕まえ,宿泊先のホテルに到着。長い1日がようやく終わりました。
2016年12月5日(月)「スラマッパギ,マレーシア」
マレーシアで迎えた初めての朝。
部屋のカーテンを開けると見える「THE 東南アジア感」の漂う建物たち(写真)。
やけに距離の近い隣の古びたマンションからはマレーシアの一般家庭を覗き見ることができました。
ホテルを出て近くのセブンで朝飯を済ませた僕はホテルの周りをちょっと散策した後,この旅の最大の目的である大学視察へ出発しました。
学費の安さと入学条件が魅力・FTMS
最初に訪れたのは,クアラルンプールから車で30分ほど走ったサイバージャヤという地区にあるFTMS。
サイバージャヤは「マレーシアのシリコンバレー」とも言われる世界の大企業が多く集まる新興都市です(進出している企業はIBM・NTT・FUJITSU・DELL・BMWなどなど)。まだ大きな建物はポツポツとしか建っておらず,建設中のビルがたくさんありました。数年後にはだいぶ違うんだろうなという印象でした。
FTMSは1986年創立。ビジネス経営学部,ITコンピュータ系学部,そしてマレーシアではメジャーな学部であるホスピタリティ観光系学部を柱とする総合大学です。
キャンパスは前に企業が使っていたオフィスを改装して使用しており,大学としては珍しい作りになっていました。
生徒数は約2000人。全体の60%を留学生が占めるという国際色豊かな大学です。
現在は日本人留学生はおらず,大学職員の方は「君が入れば日本人初だよ!ぜひぜひ!」と歓迎ムードでした。
基本的にすべての学部で英大学と学位提携しており(*注),年間40万円という破格の費用でイギリスの大学の学位を取得できます。
また入試はなく,日本の高校卒業証明書と成績証明書を提出すればほとんどの学生が入学可能です。
クアラルンプールの中心部から離れてはいますが,歩いてすぐのところに映画館やボーリング場も入った大型複合施設があったり,スーパーがあったりして,不便で退屈な感じではありませんでした。
*注
・ビジネス経営系学部の提携校:アングリアラスキン大学 (TIMES誌・世界大学ランキング301-400位,日本の名古屋大学と同レベル)
・ITコンピュータ系学部の提携校:イーストロンドン大学 / リーズバケット大学