仮定法を勉強する前に ①動詞の現在形・過去形,②現在完了形・過去完了形 ③助動詞の現在形・過去形 のそれぞれをきちんと理解することが必要だと書きました。
順番が前後しますが,今回は ③助動詞(厳密にいうと法助動詞)の意味を理解しましょう。
主な助動詞には,will(would), can(could), may(might), shall(should),must などがあります。
もちろんこれらの助動詞にはそれぞれ異なった意味がありますね。
ですが,その前にこれらの助動詞すべてに共通する役割があるのです。
それは,
動詞が表す動きが起こる確率を下げる
という役割です。
具体的には,
I stay here.
(私はここにいる)
(私はここにいる)
が確固たる事実を表す(まあ人間のすることなので、あくまで「表そうとしている」)のに対し,
助動詞を使って…
I will stay here.
(私はここにいるつもりだ)
(私はここにいるつもりだ)
I can stay here.
(私はここにいることができる)
(私はここにいることができる)
I may stay here.
(私はここにいるかもしれない)
(私はここにいるかもしれない)
とすると,人の意志や能力・未来の状況といった不確実な要素が入ってきます。
次に,助動詞を過去形にすると確率がさらに下がります。
I would stay here.
I could stay here.
I might stay here.
I might stay here.
(私はひょっとしたらここにいるかも)
ここから遠回しな表現や丁寧な表現が生まれます。
逆に,確実に起こる科学的な法則なら助動詞はまったく必要ありません。
If the sun rises, it sets.
(太陽は昇ったら,沈む)
つまり, 人の意志や未来の状況など不確定要素が入る(もしくは不確実だと表現したい)とき,初めて助動詞が必要になるのです。
仮定法が理解できない原因のひとつは,接続詞 if を使うような条件文では if 節は現在形,主節はwill + 原形と丸暗記してしまっていることです。
そう,中学で習う「時・条件を表す副詞節は未来のことでも現在形」というルールですね。
動詞の前に助動詞が入ったり入らなかったりするのには,きちんとした理由があるのです。
(続きます)