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そのウソ発音、やめませんか?②

※発音記号の強勢の表示方法

  • 第一強勢…強勢のある音節の直前にˈがある。(例) something /ˈsʌmθɪŋ/
  • 第二強勢…強勢のある音節の直前にˌがある。(例) recommend /ˌrekəˈmend/

11. Melbourne  × メルボルン 〇 /ˈmelbɚn/  メオブン

オーストラリアにある都市のメルボルンですが、メ↗ルボ↘ルンと日本語で発音しても通じません。Mel を高く強く発音します。/l/が正しく言えない人は「オ」でごまかしましょう。そして bourne は「ボルン」ではなく「ブン」を低く弱く短く言えばOKです。

Dave was born and raised in オブン.

デイブはメルボルンで生まれ育ちました。

オーストラリア東部に Brisbane という大都市があり、日本語ではブリスベーンブリスベンという発音が定着していますが、正しい発音は /ˈbrɪzbən/ で、Bris s /z/ ですし、bane/bən/ で、この /ə/ は非常に弱く発音されますから、BRIZブンのように聞こえます。オーストラリア英語では MelbournebourneBrisbanebane は同じ発音です。

12. London × ロンドン 〇 /ˈlʌndən/  lアndウn

Monday というつづりを見ても、Mon だから「モン」だなどとは思わないのに、LondonLon 「ロン」だと思ってしまう人が多いですね。Lon /lʌn/ です。これは lunch /lʌnʧ/lun と同じ音です。don「ドン」ではなくて、強勢のない /dən/ で、この /ə//d/ から /n/ に移るときに自然に出る弱い母音です。口先で素早く /d/→/n/ と言えばOKです。ドゥン のように聞こえます。

We had an early lunch in lアndウn.

私たちはロンドンで早めの昼ご飯を食べました。

13. Washington × ワシントン 〇 /ˈwɔ:ʃɪŋtən/  Wオーシンtウn

「洗う」は wash /wɔ:ʃ//wɑ:ʃ/ ですから、washingワ↗シ↘ン ではなくて、/ˈwɔ:ʃɪŋ//ˈwɑ:ʃɪŋ/ です。Washingtonwashington /tən/ を付けるだけですから、ワ↗シ↘ントン ではなくて、Wash を高く強く言ってから、ton を低い声で トゥン と素早く言います。Washington /ˈwɔ:ʃɪŋtən//ˈwɑ:ʃɪŋtən/ です。

Wオーシンtウn was the first U.S. President.

ワシントンは初代の米国大統領でした。

14. Michael × マイケル 〇 /ˈmaɪkl/  マイコ

Michael「男性名」と cycle「サイクル」は最初の子音が違うだけです。/ˈmaɪkl//ˈsaɪkl/ です。uncle / Michael / cycle の赤字の部分の発音はまったく同じで、/kl/ です。Hi, Uncle Michael!「こんにちは、マイケルおじさん!」は、ハーイ、ア、マコ↗のように聞こえます。舞子さんや麻衣子さんが My name is Maiko. と言うと、My name is Michael. と聞こえて、「女性なのに Michael なの?」と驚かれるかもしれません。

Uncle イコ bought me a bicycle.

マイケルおじさんが自転車を買ってくれました。

15. Andrew × アンドリュー 〇 /ˈænʤru:/ エアnヂユrウー

dr~ で始まる単語は、d ではなくて j の音、/ʤ/ で始めるとよいのです。dream ドリームではなくて、jream で、dryドライではなくて、jry ですね。ですから、AndrewAnjrew のように言うと正しく聞こえます。rew の部分は rude /ru:d/「無礼な」の ru の発音と同じで、リューではなくて /ru:/ です。

エアnヂユrウー was rude to us.

アンドリューは私たちに対して失礼だった。

16. Jackson × ジャクソン 〇 /ˈʤæksn/ /ジェァksn/

son で終わる語は「~ン」ではありません。でも、Lawsonpersonローパーでは?と思うかもしれませんね。でも lessonレッ とは言わないように、Lawsonpersonson も英語ではソンとは言いません。次の語の最後の部分は全部同じ発音で、/sn/ です。/s//n/ の間に母音は不要ですが、/スn/ のように言ってもOKです。

  • medicine /ˈmedəsn/ 
  • listen /ˈlɪsn
  • lesson /ˈlesn
  • person /ˈpɚ:sn
  • Lawson /ˈlɔ:sn/
  • Johnson /ˈʤɑ:nsn
  • Jackson /ˈʤæksn
  • Jason /ˈʤeɪsn
  • Robinson /ˈrɑ:bɪnsn/
  • Epson /ˈepsn
  • Anderson /ˈændɚsn
  • Andersen /ˈændɚsn
  • Davidson /ˈdeɪvɪdsn/

Epson は精密機械の会社、セイコーエプソン社です。英語ではエプソンではなくて psn と言いましょう。Anderson は英語の人名、アンダーソンですが、Andersen はデンマークの童話作家アンデルセンです。AndersonAndersen は同じ発音です。日本ではアメリカのオートバイのブランド Harley-Davidson をカタカナで「ハーレーダビッドソン」というウソ発音で言っていますが、英語での発音は /ˈhɑɚliˈdeɪvɪdsn/ なので、「ハーリデイビッスン」とでも言うほうがずっと原音に近くなります。

I hardly ever listen to イコ ジェアksn.

私はめったにマイケル・ジャクソンの曲を聴きません。

17. Mary × メアリー 〇 /ˈmeri/ メrイ

この名前の発音は Merry Christmas!merry と同じでOKです。「メリーさんのひつじ」という童謡がありますが、日本語の♪メリーさんのひつじ♪は英語では♪Mary had a little lamb♪と歌います。メーry のようにMa の部分を長く発音する人もいますので、それもOKですが、リーのように「ア」をはっきり言うのは不自然な発音です。

rイ suggested eating out for dinner.

夕食は外食にしましょうとメアリーが言いました。

18. pizza × ピザ 〇 /ˈpi:tsə/ ピーツァ

この単語はイタリア語由来で、イタリア語では「ピッツァ」のように発音されます。日本語の「ピザ」はつづりを見て英語風に読んだものが定着したものですが、英語ではイタリア語の発音を真似したものが使われています。最初の部分の母音は Peter / peace / piece と同じで長母音の /pi:/ です。zza の部分は tsa と読みます。「ピーツァ」という感じです。

I work part-time delivering ピーツァ.

私はピザ配達のアルバイトをやっています。

19. chocolate × チョコレート 〇 /ˈʧɑ:klət/ チャーklエッ

チョコレエト のように5拍で言うと通じません。chocolate は2音節で発音します。choc の部分を強く高くチャーと発音して、次のoを読まずに late を低く弱く let と言います。あとに何も言わない場合、語末の /t/は息を破裂させずに「エッ」のように言うと、自然な発音になります。chocchalk「チョーク」と同じ発音 /ʧɔ:k/ でも正しいので、チョーklエッ でもOKです。

Dad gave me a large bar of チャーklエッ

お父さんから大きな板チョコをもらいました。

20. café × カフェ 〇 /kæˈfeɪ/ ケァFAY または /ˈkæfeɪ/ ケァfay

この単語は「コーヒー」「カフェ」を意味するフランス語 café なので、英語で使う時にもたいていéと書き、フランス語の発音に似せて発音します。最初の ca は「カ」ではなくて、catca と同じ /kæ/ です。フェではなくて fay フェイです。強勢は後ろに置く発音が普通ですが、前に置いてもOKです。

My mother runs a ケァFAY in downtown Osaka.

母は大阪の繁華街でカフェをやっています。

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この記事を書いた人

GCA特別顧問。元中学校・高校英語教員。福岡県立福岡高等学校,西南学院大学文学部外国語学部英語専攻卒。福岡県立高校2校および私立弘学館中学校・高等学校で40年以上にわたり教鞭をとり,徹底した発音指導と基礎基本の定着を重視する独自の指導で大きな成果を上げる。高円宮杯第70回全日本中学校英語弁論大会中央大会では指導した生徒が決勝進出を果たす。1994年,The Japan Times社の英字新聞「週間ST」主催の英語暗唱大会で優勝。以後,英語指導者を対象とした発音指導を始め,小学校教員・中高英語教員・塾講師などを多数指導。アメリカ発音,イギリス発音に加え,事実上の世界標準である間大西洋アクセント(transatlantic accent)を自在に操り,フランス語・中国語・韓国語等の発音についても造詣が深い。2019年,第3回OPETS杯争奪全国英語スピーチ暗唱コンテスト優勝。国際英語発音協会認定英語発音指導士®。EPT®英語発音テスト 100点。英語発音技能検定EP-Pro®特級。英語検定1級。TOEIC 975点。TOEIC Speaking & Writing Tests 200点+200点。