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Carは「カー」と言えばいいのですか? それとも「カーr」と言うべきですか?

アクセントの種類

★accent /ǽksent/: 言語の発音のしかた、すなわち「なまり」のこと。アクセントはその人がどの国、地域、または社会階層の出なのかを示します。出身地域が異なれば人々は英語を異なるアクセントで話します。

★rhotic /róʊtɪk/: アクセントについて使われて、子音の前で/r/の音を発音して(例えばhardを/hɑ:rd/と発音するように)、単語の最後で/r/の音を発音する(例えばcarを/kɑ:r/と発音するように)という意味の形容詞。北米、アイルランド、スコットランドの英語の大多数のアクセントはrhoticです。

★non-rhotic /nɑ́:nróʊtɪk/: アクセントについて使われて、子音の前で/r/の音を発音しない(例えばhardを/hɑ:d/と発音するように)および単語の最後で/r/の音を発音しない(例えばcarを/kɑ:/と発音するように)という意味の形容詞。イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカの英語の大多数のアクセントはnon-rhoticです。

アメリカ英語のアクセント

日本に方言があるようにアメリカ英語にも発音の地方差があります。アメリカ英語のほとんどのアクセントはrhoticなのですが、non-rhoticアクセントを持つアメリカ人もいます。あまり知られていないことなのですが、rhoticアメリカ人でも、多くのプロ歌手はポップやロックの歌を歌うときにはたいていnon-rhoticアクセントに切り替えます。話すときにはcarを「カーr」と発音するのに、歌になると「カー」と発音するわけです。歌手によるこのようなnon-rhoticアクセントは正しく、自然で、時には好ましいものとされています。英語で歌う歌手たちの間では、non-rhoticアクセントへの切り替えは、世界中で過去数十年の間、ほぼ普通の慣習となっていて、誰もそれを疑問視することはありません。

ですが、東部ニューイングランド地方やニューヨーク市など、伝統的にnon-rhotic地域の出身のアメリカ英語の話者は、標準的なアメリカ英語を話すためにはrhoticなアクセントを用いるべきだという社会的な圧力を感じています。Rhoticアメリカ人は、non-rhoticアメリカ人が話しているときにwarmerやHarvardのような単語を、/r/の音を落として/wɔ́:mə/や/hɑ́:vəd/と発音するのを聞くと、奇妙だとか面白いとか間違っていると感じることさえあります。

Rhotic アクセントを習得するべきか?

では、外国語として英語を学ぶ私たちは、多数派のrhoticアメリカ人のように話す必要があるのでしょうか、それともnon-rhoticあるいは不完全なrhoticな話し方でも構わないのでしょうか?

答えは…Rhoticであろうがnon-rhoticであろうが、まったく問題はありません。

Rhoticまたはnon-rhoticの選択は、英語を話している場面や状況、そして異なるアクセントに対する自分の気持ち、すなわち、どっちの方がより好きかで決めればよいことです。Rhoticとnon-rhoticのアクセントは、いずれも英語の発音として正しいものであり、どちらかが本質的に優れているとか劣っているというようなものではありません。

Rhoticな特徴を取り入れることは、特にrhoticアクセントが主流である地域で一般的なアメリカ人の話し手のような発音をしたいという場合に役立つかもしれません。しかし、もしあなたにとって自然であり、自分の言語的または文化的背景により適合するのであれば、non-rhoticまたは部分的にrhoticな話し方をすることで困ることは何もありません。

アクセントに「正解」はない

そもそも、ほとんどの日本語話者にとっては100%のrhoticアクセントを修得するのは非常に難しいことです。アメリカ人の発音に耳を傾けて熱心に発音練習に励む学習者の発音もほとんどの場合、partially rhoticになっています。Partially rhoticとは部分的にrhoticということです。例えば、George never understood Mr. Carter’s orders.という文の中の8つの/r/をすべて発音する日本人英語指導者や英語学習者はほとんどいないでしょう。あっちの/r/は言うが、こっちの/r/は言わない、そして、どの/r/を発音し、どの/r/を発音しないかというのは人それぞれで、決まったパターンはありません。それがpartially rhoticというものです。私たちの英語はそれでよいのです。

最も重要なのは、明確なコミュニケーションです。あなたのアクセントが相手にとって理解しやすく、あなた自身がそのアクセントで自信を持って楽に話すことができるのであれば、自分に合っていると感じる自然なアクセントで話しましょう。様々な英語のアクセントは多くの場合、様々な地域や文化を超越した本当にグローバルな言語としての英語の多様性を示し、その結果としてコミュニケーションをより楽しく豊かなものにしてくれるはずです。

ただし、あなたのアクセントはあくまで正しい英語の音を学んで練習したのちに残る「日本語の香り」とでもいうようなものでなければなりません。でたらめカタカナ発音は「アクセント」ではなくて単なる「間違い」ですよ。

この記事を書いた人

GCA特別顧問。元中学校・高校英語教員。福岡県立福岡高等学校,西南学院大学文学部外国語学部英語専攻卒。福岡県立高校2校および私立弘学館中学校・高等学校で40年以上にわたり教鞭をとり,徹底した発音指導と基礎基本の定着を重視する独自の指導で大きな成果を上げる。高円宮杯第70回全日本中学校英語弁論大会中央大会では指導した生徒が決勝進出を果たす。1994年,The Japan Times社の英字新聞「週間ST」主催の英語暗唱大会で優勝。以後,英語指導者を対象とした発音指導を始め,小学校教員・中高英語教員・塾講師などを多数指導。アメリカ発音,イギリス発音に加え,事実上の世界標準である間大西洋アクセント(transatlantic accent)を自在に操り,フランス語・中国語・韓国語等の発音についても造詣が深い。2019年,第3回OPETS杯争奪全国英語スピーチ暗唱コンテスト優勝。国際英語発音協会認定英語発音指導士®。EPT®英語発音テスト 100点。英語発音技能検定EP-Pro®特級。英語検定1級。TOEIC 975点。TOEIC Speaking & Writing Tests 200点+200点。