福岡市天神の英語専門塾GCA・代表のグッチャンです。英語テストの「4技能」化というコトバがどうも独り歩きしているようです。
要するに「話す(スピーキング)」テストの導入
4技能とはもちろん、英語(というより外国語)を「読む」「聞く」「書く」「話す」という4つの能力のことです。
この4つのうち「読む」「書く」「聞く」の3つはこれまでもテストで出題されてきました。
ところが、残る「話す」能力についてのテストは事実上、英検3級以上の面接試験のみにとどまり、中高生が定期試験や入試で「話す」能力を問われることはほぼありませんでした。
ですから、おおまかに言うと英語試験の「4技能化」というのは「話す(スピーキング)」テストの導入です。
そこで学校の授業などで、ディスカッションやプレゼンテーションなど生徒が英語を「話す」時間がこれまでより多く取られるようになってきています。
「話す」練習だけで「話すスキル」は伸びない
もちろん授業で英語を「話す」機会が増えること自体は素晴らしい変化です。
ところが、ここに中高生の英語力アップを阻むワナがあることに注意しないといけません。
それは「話す」練習をするだけでは決して「話す」能力は伸びないということです。
少し考えれば当然の話です。まずは「読む」「聞く」(プラス音読する)という練習を繰り返し,大量の正確な英語の表現を身に付けた結果としてはじめて、自分の言いたいことを英語で「話す」ことができるのですから。
つまり、「話す」つまりアウトプットできるのは、「読む」「聞く」練習でインプットした内容だけです。
たとえば「あなたの辞書を使っていいですか?」といった簡単な会話ですら、dictionary(辞書) や use(使う) といった単語がパッと出てくるまで身についていないと難しいですよね。
お金でも知識でも、そもそも入れていないものを出すことはできません。
「話す」「書く」といったアウトプットの機会が増えることで、生徒が徹底的なインプットの重要性に気づき、アウトプットすることを意識して単語や例文を練習できるようになれば素晴らしいことです。
ですが、アウトプットが増えることによって、短絡的にインプットがおろそかになるのであれば、それは本末転倒です。