福岡市天神の英語専門塾GCA・代表のグッチャンです。
共通テストでは、「文法問題」に加え「発音・アクセント問題」もなくなりました。
旧センター試験でも配点も低く出題パターンが限られているため、本番直前にあわてて頻出問題集などで丸暗記していた人がほとんどでしょう。
リスニングがない時代の 『苦肉の策』
『文法問題』問題?が大きな議論になっている一方で、「発音・アクセント問題」の廃止は実はあまり注目されていません。
なぜなら「発音・アクセント問題」とは、リスニング試験がなかった時代(~2005年)の名残りにすぎないからです。
筆記試験というしばりの中で,英語の音声面の知識をテストするためのまさに苦肉の策だったのです。
ところが,カタカナ語と発音が異なる単語・フォニックスルールにあてはまらない例外的な発音がよく出題されたため,受験産業によってすぐに解答テクニックが開発され,完全に骨抜きにされてしまいました。
たとえば wool を [wʊl] と、pattern を [pˈæṭɚn]と発音できなくても、「ウールじゃなくてウル」「パターンじゃなくてパタン」と覚えれば正解を選べます。
women を 「ウィミン」と読むと思い込んでいる人など、今でも少なくないのでは?
『音声でマスターする発音・アクセント問題』?!
書店の英語参考書コーナーには何十冊もの「発音・アクセント問題集」が並んでいます。
中には『音声でマスターする発音・アクセント問題』*という笑えない冗談のようなタイトルのものまであります(*著者・出版社の名誉のため書名を若干変更しています)。
「発音」を「音声」以外の何でマスターしようというのでしょうか。
『ピアノを弾いて覚えるピアノの弾き方』『エクセルを使ってマスターするエクセルの使い方』といった本のタイトルは絶対に考えられません。
失礼ながら、まさに『受験英語の負の遺産』の象徴のようなタイトルだったので、記念に思わず買ってしまいました。
発音も「4技能」の基礎
文法と同じく、発音・アクセントも4技能(とりわけリスニング・スピーキング)の基礎となるスキルです。
もちろんカタカナ語でも話の流れで推測できるケースもありますが、それはあくまで知能テストで測定されるような「推測力」であって、決して英語力ではありません。
たとえば ugly / agree を「アグリー」、sin / thin / shin をすべて「シン」、cop / cup を「コップ」などと覚えていたら、リスニング・スピーキング力はある一定のポイントで伸びなくなってしまいます。
共通テストのリスニングでは、本来の発音・アクセント問題が問うはずだった、文脈から簡単には推測できない問題が出題されることを強く望みます。
……
- 英単語の並べ方(&変形ルール)である本来の「文法」
- 英単語の読み方である「発音」
- 必要十分な量の「英単語」
をきちんとした方法で習得していれば、試験形式の変更など何も恐れることはないのです。
「リーディング」「リスニング」とシンプルな構成になった共通テスト。
受験産業との「傾向と対策」の不毛ないたちごっこが繰り返されないと良いのですが…。