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「血の通った」暗記

福岡市天神の英語専門塾GCA・代表のグッチャンです。英語は確かに暗記科目ですが…

丸暗記のリスク

数学で習う公式のひとつに,

というのがありますね。

この無味乾燥な公式を呪文でも唱えるように丸暗記していると,思わぬミスにつながることがあります。とりわけ次数が上がるとなおさらです。

ですが,実はこの公式は一辺の長さが a+b+c である正方形の面積を求める公式です。

この仕組みさえ理解すれば正確に覚えられますし,二度と忘れることはありません。


つまり,タテの長さが a+b+c で ヨコの長さも a+b+c なので,

となり,この図から…

  • a×a (黒)
  • b×b (黒)
  • c×c (黒)
  • a×b (赤)が2つ
  • b×c (青)が2つ
  • c×a (黃)が2つ

…を足し合わせることで,この公式を正確に導き出せます。

文法=”公式”の暗記?

前置きが長くなりました。

実は英語の文法でも同じことが言えるのです。丸暗記は思わぬミスの元です。

例えば,述語動詞(V)の目的語にto 不定詞を使うのか,それとも動名詞を使うのかという重要な文法事項があります。

つまり,述語動詞が need の場合は,

◯ I need to do my homework.

となって,

× I need doing my homework.

とはならないのに対し,述語動詞が finishの場合は逆に,

◯ I finish doing my homework.

が正しく,

× I finish to do my homework.

とはならないというルールですね。


これについては,目的語に動名詞だけを使う主要な述語動詞(V)を語呂合わせで丸暗記する方法がしばしば指導されます。

理解して身につける

冒頭の数学の公式を図形をもとに考えたように,ここでは不定詞(=動詞の原形)の前につくtoと動名詞(=-ing形)の本来の意味をもとに考えてみましょう。

学術的には大雑把な説明になりますが,


(1) to は名詞の前だろうが動詞の前だろうが,意味は「矢印(→)」です。

(2) –ing形は動名詞だろうが現在分詞だろうが,意味は「~している最中(の様子)」です。

述語動詞 need は「必要とする」という意味です。すでにもう「~している最中」のことを「必要とする」ことはありません。まだ「~している最中」にないから必要とするのです。

したがって,-ing形ではなく 矢印 to を使い,「必要とする(need)」という動詞が「宿題をする」という方向に向かっている,とするのが正しくなります。つまり,

I need to do my homework.

となるわけです。

一方で,述語動詞 finish は「終える」という意味です。すでにもう「~している最中」のことしか「終える」ことはできません。


したがって,toではなく-ing形を使って,「宿題をしている状態」を「終える(finish)」,とするのが正しくなります。つまり,


I finish doing my homework.

となります。

いかがでしょうか。mind,enjoy, give up,avoid…と呪文のように唱えて覚えるよりはるかに習得しやすいと思いませんか。

もちろん数学と違って,英語は自然言語です。理屈が通らない例外ルールもたくさんあります。

ですが,時制・助動詞・不定詞・分詞・関係詞・比較・仮定法といった基本的な文法事項については,いったん本質から理解して「血の通った」暗記をする方が定着しやすく,何よりも実際に自分で使える表現として身につけることができます。


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この記事を書いた人

Good Chace Academy 代表/講師。英検1級。TOEICスコア960。1976年生まれ。弘学館中学校・高等学校,国際基督教大学(ICU)教養学部卒。高2で英検準1級合格,高3でTOEICスコア825,TOEFL(旧PBT)スコア590。ICU卒業後,一橋大学大学院商学研究科に進学し経営戦略論・経営組織論を学ぶ。2011年,Good Chance Academy設立。4技能化やアクティブ・ラーニングといった新しい言葉ばかりが先行する風潮の中でも,正確な音読・リスニングの徹底による読解力の養成を基本に置いた指導方針を貫き続ける。