勉強法

暗記の条件 (2)

前回は,「意味」を理解することが正確に暗記するための条件だという話でした。

暗記の条件にはもうひとつあります。
 
それは「意義」を感じることです。
 
人は自分が興味のないことや愛着が持てないこと,つまり意義を感じないことはなかなか覚えられません。逆に,意義を感じることさえできれば,たとえ丸暗記でも正確に覚えられます。
 
例えば,サッカーファンなら好きなチームや日本代表のメンバーをスラスラとそらんじることができるでしょう。人名そのものに特に意味があるわけでもないのに,「ズラタン・イブラヒモビッチ」とか「ジャンルイジ・ドンナルンマ」といった長いカタカナの文字列も,興味があればすんなり入ってきます。
 
同じように,英単語や例文にも意義を感じ愛着が持てれば,正確に覚えることができます。
 
 
…では,どうすればよいのでしょうか。
 
 
ずばり自分で書いた文章を暗記することです。
 
「余暇の定義」「ローマ式アーチ」「人間の攻撃性」…,自分の興味のないトピックで書かれたリーディング素材を暗記するのはなかなか難しいですよね。
 
ところが自分の手で書いた文章であれば,そこに使われている単語や表現により深く意義を感じることができます。
 
ただし,最初から英語で書こうとすると,その時点での英語レベルの内容しか書くことができないので要注意です。これでは語いや表現を増やすことはできません。
 
そこで有効なのが,大学入試レベルのトピックでまず日本語を使って「小論」を書き,それを英訳することです。もちろん,英文はきちんとネイティブスピーカーに校閲してもらう必要があります。
 
そして,完成した文章を繰り返し音読,できれば暗唱するのです。
 
実はこの学習法は18か国語を操ったと言われるドイツの考古学者,ハインリッヒ・シュリーマンが編み出したものです。
 
自分で書いた文章を暗記素材にすることは,アウトプットとインプットをバランス良くトレーニングできる究極の学習法であると言えます。