福岡市天神の英語専門塾GCA・代表のグッチャンです。GCAは決して入試改革反対派ではありません。
昔が良かったわけではない
当サイトでは,4技能化やアクティブラーニングといった新しい流れに警鐘を鳴らす記事が目立つかもしれません。
ですが,だからと言って旧来の受験英語の方が良かったと主張しているわけではありません。
はるか昭和の昔,英語の授業でラッセルやモームなどの格調高い名文をじっくりと味わい,これまた格調高い和訳を作っていた時代の方がずっと優れていたという意見があります。
複雑な構文や文法をじっくり分析することで論理的思考力が養われ,国語の勉強にもなっていたという主張も少なくありません。
一見もっともな話ですが,一般教養や論理的思考力と「英語力」は別物です。
教養や論理的思考力の養成は,あくまで国語・数学など他教科の領域ではないでしょうか(教科としての国語と英語の関係については別記します)。
英語の名文を格調高い日本語に翻訳できる,深い教養があり論理的に思考できる,でも…英語の放送を聞き取れない,自分の意見を即座に英語で表現できない,そもそも発音が通じない,というのは普通に考えてやはり問題でしょう。
何らかの改革は必要です。ではどこをどう変えれば良いのでしょうか。
「受験英語」の2つの問題点
旧来の受験英語には大きくわけて2つの問題点があります。
(1) 英語の音声の側面をほとんど無視していたこと
最近は多くの参考書・問題集に音声CDやダウンロードサービスがついていますが,それらをきちんと活用している人は今でも非常に少ない印象です。
(2)「問題が解ける」ことが最終目標になっていたこと
TOEFLなどの外部試験を導入すると,学校の英語の授業がたとえば「TOEFL対策講座」に貶められ,本来の英語教育ができなくなるという批判があります。
では,実際これまでの英語の授業はどうだったのでしょうか…。先生の殺し文句はいつも「ここはテストに出ます!」ではありませんでしたか? 五十歩百歩とはこのことです。
① 英語の音声の側面をより重視し ② 問題演習中心の指導を脱却することが,あるべき英語教育改革のポイントです。