福岡市天神の英語専門塾GCA・代表のグッチャンです。名前は伏せますが,ある有名な中高一貫の進学校の話です。
デジタル機器は(持たず)・使わず・持ち込ませず
その学校は全寮制です。
そしてその寮ではPC・携帯(スマホ)・タブレットその他のあらゆるデジタル通信機器の持ち込み・使用が禁止されているのです。「非核三原則」か!と思わずツッコみそうになりました。
GCAでは遠方で通塾が困難でも受講できるよう,LINEのグループ通話やzoomを使ったオンライン授業も行なっているのですが,この校則のために同校の生徒さんはほとんど授業を受けることができません。
デジタル機器を『核兵器』扱いしていいのか?
教育関係者の間では完全に意見が分かれる問題です。
確かにスマホなどのデバイスはあまりに多機能であるため,SNSの使用によって勉強に支障が出たり,「寝スマホ」で健康被害が生じたりと,多くのデメリットがあります。
まだ世間に登場して10年しか経っていない未完成の技術です。当たり前のことです。今では自動車より圧倒的に安全な旅客飛行機だって,発明されたばかりの頃は墜落するのが日常茶飯事だったのです。
だからといって,スマホなどをまるで核兵器のように全面禁止するのは果たして得策でしょうか。
今となっては微妙なたとえですが,スマホは「核兵器」というより,かつては希望の星だった「原子力発電」に近い存在ではないでしょうか。禁止するのではなく,安全に使う技術を発展させる方が筋でしょう。
6年間の『お勉強』だけで大学に進学する悲劇
日本だけでなく世界中の中高生の大半は当然のようにスマホを持ち,SNSで画像や動画・文章を自由に発信し,日本中・世界中の人たちとコメントやDMで交流しています。
いわゆるZ世代と呼ばれる彼らの行動・考え方は間違いなく近い将来の主流となるでしょう。
『お勉強』に邪魔だからというだけの理由で,中高6年間の多感な時期に世界的な潮流から取り残されたまま,大学や社会という「下界」に出たとき,彼らに襲いかかかるであろうカルチャーショックを想像すると,背筋が凍る思いです。
余談ですが,実は代表のグッチャンも,最近は「受験刑務所」と揶揄される,山の中の全寮制男子校に6年間収容されていました。
当時はスマホこそ存在しませんでしたが,寮の学習時間に漱石を読んでいたら,なんと寮監から本を没収されたのは今となっては良い…もとい30年以上経っても忌々しい思い出です。