福岡市天神の英語専門塾GCA・代表のグッチャンです。英語だけを指導することに限界を感じるときがあります。
英単語を覚える前に…
思いつくままに挙げてみます…
保守/革新
示唆
物議
先天的/後天的
戦略/戦術
症候群
陪審員
代理店
財団
臨床
隠喩
抜本的
皮肉
類人猿
演繹/帰納
…
いずれも大学入試あるいはTOEFL・TOEIC等で普通に使われる英単語の日本語訳です。雰囲気でなんとなくわかるのではなく,これらの(日本語の)単語の意味をきちんと説明できますか。
英語を教えていて気になることのひとつが,英語以前にそもそも日本語の語彙が十分でない人が少なくないということです。
上に挙げた言葉は確かに日常生活やLINEのやりとりでは使わないかもしれません。ですが,決してクイズ番組に出るような特殊な言葉でもなく,新聞やテレビのニュースに毎日接していたらわかる言葉です。
逆に言うと,これらの言葉を知らなければ,日本語の新聞記事やテレビのニュースをきちんと理解することはできません。
大学が求める英語力とは
最近,英語教育のトピックと言えば,「コミュニケーション」つまり日本人が苦手とされるスピーキングの能力を伸ばすことばかりが注目されています。ここで誤解しないでほしいのですが,大学入試レベルで問われる英語,つまり知的な大人として求められる英語力というのは,ただ日常会話ができる能力ではないのです。
英語で本や新聞記事・論文を読みこなし,さまざまな”まじめな”トピックについての相手の考えを理解し,自分の意見を論理的に伝えることができる能力です。ひと言で言うと,英語圏の大学生が持っている(べき)能力です。
実はGCAでも,本来「国語力」であるはずの硬い言葉や概念を,日本語以前に英語を通して学習してしまうことに反対の立場でした。ですが,今では英語も日本語も「言語技術(language arts)」として区別せずに指導するようにしています(そもそも日本語の熟語の大半は,明治時代に英語から翻訳されたものです)。
一定の水準を超えると,(日本語での)一般教養や時事問題の知識抜きに英語力を伸ばすことはできません。
最後にもうひとつだけ質問します。以下の問題に800字程度の日本語で解答できますか。
「民主国家は非民主国家に民主主義を強制すべきか」
(*英検1級の実際のライティング問題を和訳したもの。もちろん問題文も英語であり,数百語の英語で解答する必要があります)