福岡市天神の英語専門塾GCA・代表のグッチャンです。勉強でも「入ってないものは出せない」という常識を忘れないようにしましょう。
学習していない内容をテストしてはいけない
4技能化の流れで、中1や中2の段階でも定期テストに自由英作文が出題されるようになっています。
確かに早い段階から英語で発信する感覚を身につけるのは重要です。ですが、単語や表現を十分に知らない中1~2年の段階で100語近い作文をさせるのは、生徒の英語への興味を高めるというより単に不要なストレスをかけているだけの場合が多いのです。
実際、大部分の生徒が自由英作文を嫌がります。
理由は明確です。何よりもまず、自分が書きたい内容を表現する単語・文法をまだ習っていないことです。
習っていない・知らないことをテストとされるというのはストレス以外の何物でもないでしょう。それはまるで九九を覚えていない生徒に方程式を解かせるようなものです。
日本語でもできないのに…
さらにもうひとつ理由があります。それは、中学生の大半が日本語でもまとまった内容を表現できないことです。たとえば「尊敬する人物」や「好きなスポーツ」について、その場で原稿用紙一枚をうめることができる中学生がどれだけいるでしょうか。繰り返しますが、「日本語で」です。
これは中学生が悪いのではありません。国語の授業で作文をする練習、英語以外の教科でまとまった記述をする機会が中学生にはほとんどないのです。
このような状況を変えることなく、とりあえず定期テストにだけ自由英作文を出題することには大きな疑問を感じます。実際のところ、自由英作文で高得点が取れる生徒には、原稿を「代筆」してくれる保護者や塾・家庭教師の先生がいるだけなのではないでしょうか。
アウトプットへの意識は重要です。しかし、お金でも知識でも商品でも、そもそも入れていない(インプットしていない)ものを出す(アウトプットする)ことは絶対にできません。常識で考えましょう。