福岡市天神の英語専門塾GCA・代表のグッチャンです。GCAの学習方針の根本にある考え方です。
英語学習の各「分野」の正体
指導をしていると、
「ふだんの勉強じゃなくて英検の対策をしてください」
「読解ではなくて文法を教えてください」
「音読とかじゃなくて過去問をさせてください」
といったリクエストをよく受けます。
確かにテストによって出題傾向もさまざまですし、書店の英語コーナーに行けば。文法・単語集・構文集・長文読解・発音アクセント・リスニング・英会話・英作文…と大量の参考書が並んでいます。まるで英語の中にたくさんのジャンルがあるように見えます。
ところが英語には、数学でいうベクトル・微分積分・数列…、世界史でいう中国史・古代ローマ史・近代ヨーロッパ史…、といったジャンル分けは基本的に存在しないのです。
数千個の単語とその並べ方があるだけです。ちなみに単語の並べ方のことを一般には「文法」と呼びます。
テストの「出題形式」に惑わされない
定期テストや英検・大学入試・TOEFL・GTECといったテストがどんなに多様な出題形式を持っているとしても、それらは結局のところ、必要十分な量の単語を正確に並べることができるかを試しているのです。
ですから、同義文作成・整序英作文・誤文訂正・部分英作文・長文読解・リスニング…などといった単なる出題形式に引きずられたバラバラな学習はするべきではありません。
過去問や予想問題集にむきになって取り組む必要もありません。
「英語はひとつ」なのですから。
一見、遠回りに見えるけれど…
たまには昔話でも書きましょう。
高校時代に本格的に英語の勉強を始めて以来、英検・大学入試・TOEIC・TOEFL・大学院入試…と様々な英語のテストを受ける機会がありました。
ですが、私は過去問というものを一切やったことがありません。
どのようなテストも、受験者が英語をどのくらい使えるかを文字通り「テスト」しているにすぎないと当時から考えていたのです。
英語を勉強する目的は実力をつけることです。テストの点数・合否はあくまで実力の目安であり結果であって、それ自体が目的ではないのです。
自分の実力不足を感じるのは、決してテストのスコアが悪かったり不合格になってしまったりしたときではありません。実際に英語で話しているときに相手に伝えたいことがうまく言えなかったとき、海外ドラマやニュースで聞き取れない箇所があったとき、本やウェブサイトで意味が理解できない部分があったときです。
このような考え方は、従来の受験勉強の枠組みではなかなか受け入れられませんし、これまで多くの批判も受けてきました。確かに一見、遠回りで「実践的」ではない勉強法に見えるかもしれません。
しかし指導する立場になってからもこの方針が揺らぐことは一度もありませんでした。
なぜか? もちろん、他のどんな勉強法よりも学習効果が抜群だからです。