福岡市天神の英語専門塾GCA・代表のグッチャンです。旧センター試験で出題された『伝説の』難問、みなさんは正解できますか?
「並べ替え問題」の典型例
——————————————–
問. ①~⑤の語句を並べ替えて空所を補い,文を完成させよ。
I wonder ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) upstairs.
① what ② that ③ is making ④ it is ⑤ the noise
——————————————–
難しいですよね。初見で正解できる高校生はほぼいませんし、実は私自身も少し考え込んでしまいました。
正解は,
I wonder (what) (it is) (that) (is making) (the noise) upstairs?
(いったい何が上の階で音を立てているのだろう)
です。
中1レベルの文法から解説します。
もともとの文です。
A dog / makes / the noise / upstairs.
(犬が / 立てます /…音を /…上の階で)
まず現在進行形にします…
A dog / is making / the noise / upstairs.
(犬が/ 立てているところです /…音を/…上の階で)
さらに強調構文にします…
It / is / a dog / that / is making / the noise / upstairs.
(犬です /…立てているのは /…音を /…上の階で)
これをYes/No疑問文に…
Is / it / a dog / that / is making / the noise / upstairs?
(犬ですか? /…立てているのは /…音を /…上の階で)
“a dog” の部分を問うwh-疑問文に…
What / is / it / that / is making / the noise / upstairs?
(何ですか? /…立てているのは /…音を /…上の階で)
最後に間接疑問文にします…
I / wonder / what / it / is / that / is making / the noise / upstairs.
(私は / 不思議に思います /…以下省略)
…で完成です。
文法は大切ですが…
前置きが長くなりました。
実はこの記事の目的は、難しい文法問題を解説することではないのです。
皆さんにちょっと考えていただきたいのです。
問題をもう一度引用します:
——————————————–
問. ①~⑤の語句を並べ替えて空所を補い,文を完成させよ。
I wonder ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) upstairs.
① what ② that ③ is making ④ it is ⑤ the noise
——————————————–
私たちはこの『難問』に数分間じっくり考えた末に正解できるスキルと…、会話している相手が “I wonder what’s making the noise upstairs.” と言ったときにその内容を自然に理解できたり、(物音がしたとき)「上で音がするけど何だろう」と英語でとっさに言えたりするスキルと、果たしてどちらを優先して学習するべきでしょうか。
もちろん文法を正確に理解できるスキルは重要です。現行の大学入試でそういうスキルが少なからず問われるのも事実です。
ですがここで問題にしたいのは、
この『難問』に正解できるほど優秀であるにもかかわらず、「上で音がするけど何だろう」と英語でパッと言えない高校生があまりに多いという現実です。
非常にバランスが悪いですよね。
こういう状況を変えるために、2020年から大学入試改革で徹底した英語の「4技能化」が目指されているのです。