英語の音を出すためには,日本語を話すときとは異なる呼吸法・口の周りの筋肉の動き,舌の動きをマスターする必要があります。以下のトレーニングを日々の習慣にしましょう。
腹式呼吸
- 日本語は基本的に,胸式呼吸で発声します。
- ところが英語では息の量が数倍になる『腹式(横隔膜)呼吸』で発声します。
- 胸式呼吸では母音が十分に響かず,最後の子音が聞こえなくなります。
- また英語話者がジェスチャーを多く使うのは息を大きく使うためでもあります。
トレーニング (1)
① あお向けに横になり,へその上に重い本(辞書など)を置く
② 大きく息を吸ってお腹(へそ)で本を10センチ以上持ち上げる(5秒)
③ 横隔膜をゆるめ,へその上の本を元の位置に戻しながら大きく息を吐く
- 音読練習前に10回繰り返します。
- 腹筋より深い部分にある横隔膜で辞書を持ち上げる感覚をつかむこと。
トレーニング (2)
○ 床に四つん這いになって音読練習
- 四つん這いになると胸式呼吸ができなくなるので,強制的に英語の発声ができます。
- 机に両手をしっかりついて肩甲骨を背中に寄せる体勢でもできます。
- 腹式呼吸になった瞬間,声が変わるのを体感しましょう。
口の奥(軟口蓋)を持ち上げる
- 日本語では主に口の前の方(歯に近い方)で発音します。
- 一方,英語では口の奥の方(軟口蓋)で発音する音がたくさんあります。
トレーニング
① 大きくあくびをして息を吸い『口の天井の奥(軟口蓋)』に冷気を感じる。
② 舌をリラックスさせて寝かせたまま,大きく口を開いて 『口の奥』から「アーー[ɑ:]」
- 初めは無意識のうちに舌が持ち上がります。鏡を見て直しましょう。
唇・口の周り・舌の筋トレ
- 以下,英語の発音に必要な口のまわりや舌の筋肉を鍛えるために思いきり力を込めます。
- ですが,実際に発音するときはリラックスして正確な口の形・舌の位置を作ります。
- ただ,十分な筋力がないと100%の力で口や舌を動かすことになり,リラックスできません。
唇のトレーニング
- ① 口をタテに大きく開いて(指が3本入るくらい)「アーー!![ɑ]」
- ② 口角を左右に思い切り引っ張って「アーー!![ӕ]」
- ③ 唇と舌を完全にリラックスさせて,ため息「ァ~~[ə]」
- ④ 唇をヨコに思い切り開いて「イーー!![i:]」
- ⑤ 唇を完全にリラックスさせて舌も寝かせ,ため息「ィ~~ [ɪ]」
- ⑥ 唇を思い切りすぼめて「ウ~~ [w]」
- ⑦ 唇を突き出して「ウ~~ [u:]」
- ⑧ 唇と舌をリラックスさせて,ため息「ぅ~[ʊ]」
- ⑨ 唇をしっかり閉じたまま鼻から「ムーー[m]」
- ⑩ 唇を上下に思い切りめくってアヒル口で「RRR…[r]」(アヒル声)
舌の筋トレ
ふだんは意識していない舌先・舌の裏・真ん中~奥の表面の感覚を磨きましょう。
- ① 舌の前後運動(リラックスさせて”寝かせる”感覚をつかむ)
- ② 舌のタテ回転
- ③ 舌のヨコ回転