『音読×直読直解』の英語塾GCA・代表のグッチャンです。
英検の二次試験(スピーキング)で、「緊張して何も言えなかった…」という経験はありませんか? 多くの人が、英検のスピーキングテスト前になると突然、英語で「話す」練習(模擬面接)が必要だと感じるようです。ですが、「話す」スキルは、実は付け焼き刃の模擬面接では克服できません。
「スピーキング」以前の問題
まず、スピーキングテストで合格するためには、そもそも面接官の質問を聞き取れることが大前提です。しかし、それはあくまで「リスニング」のスキルであり、「話せない」という問題の本質とは異なります。そこで今回は、質問の内容は理解できているという前提で、どうやって「話す」かについてお伝えします。
英検に限らず、スピーキングテストでは日常生活で考えたこともないようなトピックを突然振られます。例えば、英検2級レベルであれば、次のような質問です:
Do you think online shopping is convenient?
(ネットショッピングは便利だと思いますか?)
日常会話なら「うん、便利だよね」で済みますが、スピーキング試験や、実際に公的な場で英語を話すシーンでは、必ずと言っていいほど「Why?(なぜ?)」というツッコミが続きます。
ですから、英語で自分の意見を述べる際には、その客観的な理由まで言語化して伝える必要があります。ちなみに、英語圏の学校では、小学生の段階からこうした練習を徹底して行います。
たとえば、この質問に Yes と答える場合…
- わざわざ出かけなくても買い物ができるから
- 同じ商品でも一番安い店を簡単に検索できるから
といった理由を付け加える必要があります。日本語で言われてみれば、文字通り「言うまでもない」ような当たり前の内容ですね。
ここで、日本語では思いついても、それを英語で表現できないから「話せない」と思う人もいるでしょう。ですがこれは単に語彙や表現が十分に身についていないというだけで、実は「スピーキング」のスキルの問題ではありません。
スピーキングテストに効く3つのテクニック
英検は合否やスコアが出る「テスト」です。そのため、最終的にはいくつかのテクニックが有効な場面もあります。ただし、これらは英語学習の本質とは矛盾するため、あくまで本番での「最終手段」として捉えてください。
(1) 本心ではなく「理由を答えやすい方」を選ぶ
先ほどの質問で、ふつうに「ネットショッピングは便利だ」と思っていて、とっさに Yes と答えたとします。ところが、もしその場で「便利だから便利なんだ…」としか思い浮かばなければ、そこで終わってしまいます。
このような事態を防ぐため、まず「理由までセットで言えるか」を判断した後に、Yes と答えるか No と答えるかを決めましょう。たとえ本心と異なっていても、テストだと割り切って「理由が言いやすい方」を選ぶのです。
もし、Yes の理由は思い浮かばないけれど、No の立場で考えてみると…
- クリックひとつで済むので、不要なものまで買いすぎてしまう
- 実物が届くと、ウェブサイトの写真と違っていることがある
といった理由がパッと思い浮かぶかもしれません。そのときは本当はウソでも 絶対にNo を選択すべきです。
(2)「幼稚園生」に説明するつもりで答える
スピーキングではなく語彙力の問題だとは言っても、思いついた内容を英語で表現できないこともあります。
例えば、次のような日本語をそのまま英語にスムーズにできますか?
「実店舗のように商品を手に取ったり店員に質問したりできないので、注文した商品が理想通りかどうか届くまで分からないから」
…英検2級に挑戦する段階の人にとっては、けっこう難しいですよね。ちなみに、以下のような表現になります:
This is because, when shopping online, customers cannot physically examine products or ask store staff questions, so they cannot be sure whether the item matches their expectations until it is delivered.
こういうときは、同じ内容を幼稚園生くらいの子どもに説明するつもりで言い換えてみるのです:
「ネットでは写真しか見られないから、届いたものが本当に気に入るかどうか分からないんだよ」
これなら英語でも表現できませんか? というより、このくらいは「話す」ことができなければ、英検2級レベルの英語力があるとは言えません:
Because we can only see pictures, we do not know if we like it.
(3) ネイティブは全員『陽キャ』?? ~緊張を解くテクニック
以上の2点は、ライティング問題の意見文(Opinion Essay)を書くときにも共通するテクニックです。しかしライティングと異なり、スピーキング・テストでは初対面の相手に対して(CBT以外)、瞬時に答えなければなりません。
きちんとした理由を言おうと考え込むあまり、うつむいて小声になったり沈黙が続いたりすると、コミュニケーションへの姿勢(Attitude)について減点対象となります。英語のコミュニケーションでは、相手の目を見て堂々と話すことが求められるのです。
とはいえ、初対面の相手に緊張してしまうのは無理もありません。「ネイティブスピーカーは全員、誰が相手でもジョークを交えながら笑顔でペラペラと話す 『陽キャ』 だ」と誤解している人も少なくありませんが、実際には英語圏にも『陰キャ』つまり内向的(introverted)な人も大勢います。
ただ、欧米のような多文化社会では「外向的であること」が評価されやすいため、本当は内向的な人でも、外向的(extroverted)に見せるためのテクニックと練習方法が確立されているのです。
そのひとつが「トライアングル・テクニック」です。
相手の目を見つめ続ける必要はありません。かといって視線を大きく逸らすのも失礼にあたります(特に、相手の眉より上や首から下に一瞬でも目を向けるのは絶対に避けるべきです)。
そこで、相手の目ではなく「右耳 → あご → 左耳」の3点を、三角形(トライアングル)を描くように約3秒ずつ順番に見てください。その際に、日本語の「えーっと…」「そうですね…」に相当する
- Well…
- Let me see…
といったフィラー(つなぎ言葉)を添えれば、自然に考える時間を確保できます。
こうすれば、相手の視線の圧を感じることなく「しっかりこちらを見て話している」という印象を与えることができ、緊張が和らぎます。ぜひペアワークなどで試してみてください。
いかがでしょうか。これらのテクニックを知っておくだけでも、スピーキングテストへの苦手意識はぐっと軽くなるはずです。
