読解ノート (reading)

アリアナ・グランデ “Baby I” を徹底解説

趣味で洋楽を聴くというのは,英語を勉強する上でとても効果があります。

好きなアーチストの歌の歌詞だと,英語の文法や単語が自然に覚えられますよね。

GCAでも,洋楽好きな生徒さんがカラオケで歌いたい曲を持ってきてくれたら,完全に歌えるように歌詞の発音・意味を解説することがよくあります(ただし,代表は音痴なので歌い方だけは指導できません)。

たとえば今日の授業。アリアナ・グランデの Baby I をどうしても歌いたいという女子生徒。

以下抜粋:

Straight up, you got me.

  • straight は形容詞「まっすぐな」。 straight up は「本当にね」くらいの意味。
  • You got me. (あなたは / 手に入れたよ /…私を)

「もうわたしはあなたのとりこ」

All in, how could I not be

もともとの形は…

I am all in. (わたしは/ (こうだよ→) / すっかりはまってる) ≒ I love you.

   ( 助動詞 can を追加すると…)

I can be all in. (わたしは/ (こうなれるよ→) / すっかりはまってる)  

   (助動詞 can を過去形にして仮定法に)

I could be all in. (私は/ (こうなれるかもしれないよ→) / すっかりはまってる)

   (否定文に)

I could not be all in. (私は/ (こうなれないかもしれないよ→) / すっかりはまってる)  

   (疑問文に)

Could I not be all in? (私は/ (こうなれないかもしれないの?→) / すっかりはまってる)

   (疑問詞 How を加えて反語表現に)

How could I not be all in? (どうすればすっかりはまらないことができたというの?)

   (倒置して)

All in, how could I not be.

「あなたにすっかりはまらずにはいられなかった」

I sure hope you know

I sure hope (わたしは / 本当に 願っているよ」

you know「あなたが / (前文の内容を)わかっている(のを)」

≒ 「わたしの気持ちわかってほしいなあ」

If it’s even possible, I love you more

If it’s even possible (それがあり得るのなら)

「この気持ちをわかってくれさえすれば」

I love you more (わたしは / 愛するよ /…あなたを /…もっと)

「もっと好きになるのに」

(…何よりもっと??)

Than word ‘love’can say it

・than : ~よりも

・word ‘love’ can say it (”愛”という言葉が / あらわせるよりも /…それを)

「”愛してる”なんてコトバじゃ足りないくらいね」

It’s better not explaining

もともとの文は…

Not explaining is better. (説明しないことが / (こうだよ→) / まし)

(強調構文に)

It’s better not explaining.

「コトバなんかじゃ伝わらないよね」

That’s why I keep saying… Baby I

That is (…the reason) (それが / (こうだよ→) / 理由だよ) ≒ だから

(何の??)

why I keep saying… Baby I (わたしが / 続けるという /…言うのを /… Baby I と)

「だから,わたしは Baby I …,ってだけ言い続けるよ」 

タイトルでもある Baby I の baby は,もともとは「赤ちゃん」という意味から「かわいいもの,愛すべきもの」という意味が派生します。

だからこの場合は,恋人に呼びかける表現。日本語なら「ねぇ…」という感じでしょうか。したがって,Baby I… は,「ねぇ,わたし…」というニュアンスになります。

主語 I の後にどんな述語動詞(V)を続けても,自分が恋人を想う気持ちをうまく表現するには足りなくて,言葉につまってしまってるんですね。

でも,そういう強い思いがあるということ自体は伝えたいから,Baby I …,とだけ繰り返し言い続けてるんですね。わかりましたか??

書きながら,アラフォーのおっさんがいったい何の話をしてるのか? と自分で自分にツッコミを入れつつも,私は以下の万葉集の歌を思い出しました:

常人(つねひと)の 恋ふといふよりは 余りにて

我れは死ぬべく なりにたらずや

― 大伴坂上郎女

(普通の人が言う「恋」などという言葉では とても言い足りないこの気持ち…苦しくて死んでしまいそう)

恋人を想う気持ちは古今東西変わらないんですね。

英語だけじゃなくて古文もしっかり勉強しましょう(それと,恋愛もたくさんしましょう)。