「傾向と対策」が通用しない激変の時代― 王道のブレない学習法で『使える&話せる受験英語』をマスターしよう!

暗記の条件 (1)

福岡市天神の英語専門塾GCA・代表のグッチャンです。大量の英単語を覚えるコツについて。

丸暗記の限界

膨大な英単語や表現・文法を正確に覚えるためには,欠かせない条件がいくつかあります。  

まず,できるだけ意味を理解して覚えることです。もちろんある程度は丸暗記も必要です。しかし丸暗記,つまり意味のない文字列をただひたすらインプットする方法には限界があります。  

最近は,1冊の単語集を高速で繰り返し流し読みして暗記するというやり方が主流です。毎日顔を合わせるうちにクラスメートの顔と名前が自然に覚えられるように,英単語も毎日繰り返し「見る」ことで覚えられるという丸暗記の一種ですね。  

しかし経験から,この方法は人によって向き不向きがあるようです。とりわけ英語への苦手意識が強く意欲も低い場合,まったく効果が出ません。  

信号の色の順番,思い出せますか?

これに関して興味深い話を読みました。  

交通信号の色の順序を正確に思い出せますか?  

……

……

けっこう迷いませんか。信号なんて毎日のように目にしているはずなのに,です。  

答えは左から「青→黃→赤」です。    

これにはきちんとした理由があります。  

信号で一番重要なのはもちろん「赤」です。日本の道路は左側通行で右ハンドルなので,ドライバーにいちばん見えやすい位置に赤があるのです。    

これだと一発で覚えられます。しかも二度と忘れることはありません。    

なぜなら意味を理解したからです。    

英単語=接頭辞+語根+接尾辞

したがって英単語についても,例えば「encouragement」という長い単語を「e-n-c-o-u-r-a-g-e-m-e-n-t, 奨励,e-n-c-o-u-r-a-g-e-m-e-n-t, 奨励…」とやるより…

「en(-にする)」+「courage(勇気)」+「ment(名詞化する接尾辞)」から「勇気づけるもの」すなわち「奨励・激励」と覚えた方が,一見遠回りですがはるかに定着が良いのです。  

このように語根・接頭辞・接尾辞の意味を意識して学習すると,encouragement という単語を覚えると同時に,courage(勇気),encourage(奨励する), dis-courage(落胆させる), dis-courage-ment(落胆),といった派生語・対義語も自然に頭に入ってきます。  

これらの単語を出現頻度順で並べられた単語集の別々のページで学習するのは効率が良いとは言えません。  

このような意味を理解して覚える方法は,語彙だけでなく文法学習についても大変効果的です。  

(続きます)

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この記事を書いた人

Good Chace Academy 代表/講師。英検1級。TOEICスコア960。1976年生まれ。弘学館中学校・高等学校,国際基督教大学(ICU)教養学部卒。高2で英検準1級合格,高3でTOEICスコア825,TOEFL(旧PBT)スコア590。ICU卒業後,一橋大学大学院商学研究科に進学し経営戦略論・経営組織論を学ぶ。2011年,Good Chance Academy設立。4技能化やアクティブ・ラーニングといった新しい言葉ばかりが先行する風潮の中でも,正確な音読・リスニングの徹底による読解力の養成を基本に置いた指導方針を貫き続ける。