まず『アイウエオ』を忘れよう
まず以下の文字を声に出して読んでください:
a・i・u・e・o
…
…
私たちがふだん使っているローマ字では『ア・イ・ウ・エ・オ』と読みますよね。
あるいはアルファベットで『エー・アイ・ユー・イー・オー』と読んだ人もいるかもしれません。
英語の発音を学習するときは,
『a・i・u・e・o』は決して『ア・イ・ウ・エ・オ』ではない
ということをしっかり覚えておいてください。
英語の母音は10個~
日本語には『ア・イ・ウ・エ・オ』という5つの母音があります。
その5つの音にローマ字(アルファベット)の『a・i・u・e・o』の5つの文字をそれぞれあてているわけです。
ところが,英語の『a・i・u・e・o』という5つの文字にはなんと
それぞれ2つずつ,2×5個で計10個
の基本的な読み方があるのです。
英語の a・i・u・e・o が持つ2つずつの読み方を
- 短母音(short) ~『フォニックス読み』
- 長母音(long) ~『アルファベット読み』
と言います。以下ひとつずつ確認していきましょう。
(1) 母音 “a” ~『ア』『エー』ではない!
まず “a” の読み方―
■短母音 [æ] ~ short “a”
“a” を絶対に『ア』と発音しないように注意してください。
たとえば,hat (帽子)を 『ハット』のように発音すると,
hut (小屋) あるいは hot (暑い) に聞こえてしまいます。
短母音[æ] (short “a”)は,
- 口角を左右斜め下に首にスジが浮き出るくらい引っ張って
- 『ア』と『エ』のあいだのような音
を出すのがポイントです。
■長母音 [ei] ~ long “a” (アルファベット読み)
“a” の2つ目の読み方。これは「アルファベット」読みとも言われ,A・B・C…とアルファベットを読むときの発音と同じです。
ポイントは以下の2点。
- 『エィ』と後ろのイは小さめに
- カタカナ読みで『エー』と伸ばさない
■ [æ] → [ei] 変換のルール(フォニックスルール)
ここで,同じ“a”という文字が,
短母音[æ] (short “a”) なのか,
長母音[ei] (long “a”) なのか,
区別するルールを紹介します。
■読まない母音(silent vowels)
長母音[ei] (long “a”) になるときは,つづりの中に読まない母音(黙字/silent vowels)が含まれているのが基本です。
① 単語の最後の 読まない “e” (silent “e”)
cake や make, hate を 「カケ」「マケ」「ハテ」と読まないのは,
最後の”e” は “a” を長母音[ei]に変えるだけの読まないマーク
だからです。
わかりやすいのは
hat → hate
の組み合わせですね。
hat (帽子)は,短母音[æ] で[hæt]。
一方,hat の最後に読まない”e” を加えて hate (嫌う) にすると,
“a” が長母音[ei] に変わり,[hæte]ではなく[heit]になります。
② “a” の直後の 読まない “i” と “y”
中1で習う rain や mail などは,あえてカタカナで書くと『レイン』『メイル』と読めても,
あるいは day や play は『デイ』『プレイ』と読めても,
高校で出てくる claim faith を『クライム』『ファイス』,delay を『ディライ』と読んでしまう人が少なくありません。
これはもちろん,ai をローマ字で『アイ』と読んでしまっているからですね。
英語では
ai / ay の中の iとy は, “a” を長母音[ei]に変えるだけの読まないマーク
だというルールをしっかり身につけておきましょう。
わかりやすい組み合わせは,
ran → rain
ran (走った)は,短母音[æ] で[ræn]。
一方,ran の aの後に読まない”i” を加えて rain (雨) にすると,
“a” が長母音[ei] に変わり,[ræin]でも[rain]でもなく,[rein]になります。
