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王道の長文読解 ― 英語専門塾の夏期講習とは ⑨

長文読解のテクニック?

あらゆる試験でますます『長文化』が進んでいる長文読解,苦手な人多いですよね。

それで,長文読解の参考書を読んだり講義を受けたりすると,以下のような「実践的」な練習が指導されます:

(1) 空欄に接続詞(あるいはディスコースマーカー)を入れる練習

日本語(国語)でいうと「しかし」「たとえば」「一方で」「つまり」「さらに」といった,文章の流れを左右する適切なつなぎコトバを選択する練習です。

たとえば,

「タカシは試験に合格した。( A  ),タカシはうれしかった。( B  ),ケンタは落ちた」

の空欄A・Bを埋めて自然な文を作るようなトレーニングの英語版です。

(2) わからない単語を文脈から推測する練習

そのままですが,わからないコトバを暗記するのではなくて話の流れからあてる練習です。

日本語でいうなら…

「ジハイドロジェン・モノオキサイドは人間の生存にとって必須の物質である。ジハイドロジェン・モノオキサイドは常温では液体だが,100度まで熱すると沸騰し0度で凍る。それはまた,自然の中で海や川を構成する。空から降ってくる液体のジハイドロジェン・モノオキサイドのことを雨と呼ぶ」

という文があったとします。

ジハイドロジェン・モノオキサイド」という言葉については,さっきググッて知ったばかりですが,おそらく「水」(の一種?)だろうな,と推測できますね。

両者とも大事な練習だと思います。

ですが…

もっと大事なことを見過ごしていないか?

文章の流れを理解する前に,on the other hand とか otherwise とか therefore といった,基本的なつなぎコトバそのものがまだあやふやな状態のまま,

あるいは例文中のジハイドロジェン・モノオキサイド(dihydrogen monoxide)のような難解な専門用語の意味を推測する前に,「必須の(essential)」「沸騰する(boil)」「凍る(freeze)」「液体(liquid)」といった基本単語があやしい状態のまま,

このような「実践的」な練習ばかりすることについて疑問を感じてください。

長文そのものを繰り返し叩き込む

長文”問題”を解き,丸付けして解説を読んで納得,すぐに次の長文問題に進むのではなく…

  • マーキングによって全文の文構造をくまなく把握し(マーキングについては別の記事で紹介します)
  • すぐに全文和訳を読んで単語・センテンスの意味を理解し
  • わからない箇所は講師に質問して徹底的につぶし,
  • 音声教材を聞き込み
  • 全文を繰り返し音読(Read & Lookup)し
  • リスニングのスピードでスムーズに理解できるまで自分のモノにする

というのが,王道の長文読解トレーニングです。

このようなトレーニングを続けていれば,いつの間にか英語の「地力」がついてきます。

すると,冒頭で挙げたような「実践的」な練習などほとんど必要がない状態になっている自分になっていることに気づくでしょう。

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この記事を書いた人

Good Chace Academy 代表/講師。英検1級。TOEICスコア960。1976年生まれ。弘学館中学校・高等学校,国際基督教大学(ICU)教養学部卒。高2で英検準1級合格,高3でTOEICスコア825,TOEFL(旧PBT)スコア590。ICU卒業後,一橋大学大学院商学研究科に進学し経営戦略論・経営組織論を学ぶ。2011年,Good Chance Academy設立。4技能化やアクティブ・ラーニングといった新しい言葉ばかりが先行する風潮の中でも,正確な音読・リスニングの徹底による読解力の養成を基本に置いた指導方針を貫き続ける。