大学入試改革

「文法問題」が消えても「文法」は大事です

新共通テストから,現行のセンター試験・大問2のようないわゆる「文法問題」がなくなり,筆記試験では読解問題だけが出題される予定になっています(2019年11月現在)。

そのためか近年,「今後も英文法を教えることが必要なのか」という議論があります。

ですが,そもそも英文法というのは「文法問題」を解くために学習するものではなかったはずです。

英文法とは平たく言うと,英単語の並べ方と変形のルールのこと

「私は彼女のことが好きだ」が…

*I she like.

ではなく,

I like her.

だとわかるのは,まさに英文法を身につけているからです。

つまり,英文法を十分に習得していなければ,

英語を「読む」ことも「聞く」ことも「書く」ことも「話す」こともできません。

したがって結論から言うと,もちろん今後も英文法を教えることは不可欠です。

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ではなぜ「英文法はもういらない」という議論が出てくるのでしょうか?

旧来の入試問題では,

「1~7の語句を並べ替えて英文の空所を補い,3番目と5番目にくる最も適切な語の組み合わせを選べ(ただし1語不要)」

「本文中の下線部1~5の that のうち用法が異なるものをひとつ選べ」

といった複雑な出題形式の文法問題が高度に発達してきました。

この背景には

・ライティングやスピーキング試験では完全に公平で客観的な採点が不可能であること,

・資格試験である英検などと異なり,選抜試験である入試では点差がつきにくい基礎的な問題を出せないこと

といった理由があります。

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そこで,例外的な文法知識イコール高度な英語力という風潮が生まれ,

基礎があやふやなまま,試験で出やすい例外ルール集(いわゆる”重箱の隅”問題)に重点を置く「受験英語」というジャンルが成立し,

さらには適語補充・整序英作文・語形変化・適語選択といった様々な出題形式に対応した解答テクニックが次々と開発されていきました。

その結果,テストで高得点が取れるのに英語が「使えない」,つまり実際に読んだり聞いたり書いたり話したりできないという問題が深刻化していったのです。

(ですから,文法学習などもう古い,これからは四技能だコミュニケーションだなどと雰囲気で決めつけず,このような経緯で近年の英語試験改革の試みがあるということをまず理解しましょう)

確かにこのような旧来の受験英語に特化した「文法問題の解答テクニック」のことを「英文法」と呼ぶのであれば,それはもう時代遅れと言ってよいでしょう。

ところが最初に書いたように,英文法とは決して「文法問題の解答テクニック」のことではありません。

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GCAでは実は文法を何よりも重視しています。

ただし,文法問題を解く練習は行ないません。

あまりに煩雑な文法上の分類・難解な文法用語による説明もできるだけ避けます。

代わりに,口頭(音読)での何重ものテストを通して,

学習したリーディング素材(文章)中のまぎらわしい冠詞や前置詞・時制や態など一語一語きちんと理解しているか,

さらにはそのセンテンスを丸ごと正確に再現できるか

をあらゆる角度から確認します。

そして質・量ともに十分な英文を,理解するだけでなく自分で使えるレベルまで習得した結果として,4択・穴埋め・並べ替えといった文法問題にも正解できる状態を目指します。

様々な形式の文法問題というのはあくまでテスト(試験)の手段です。学習の手段ではないのです。